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コラム「ワインの歳時記」

「食」の世界をリードする日本のソムリエ、日本のワイン

2007年07月03日

 6月下旬、ネット上で沸いた“佐藤ソムリエ”フィーバー! ヤフーの「急上昇検索ワード」にも“ソムリエ佐藤陽一"が登場していました。これはNHKの番組『プロフェッショナル』で、佐藤ソムリエの密着取材が放映されたことによる余波だったのですが、テレビの効果、恐るべしです。

写真第4回『全日本最優秀ソムリエコンクール』のサービス実技の佐藤陽一ソムリエ
写真ロードス島大会後、オーストリーでNo.1ソムリエのアンドレア・ラーソン(スウェーデン代表)を発見!
写真日本が誇るワイン界の精鋭が一堂に会して。司会は1995年世界一になった田崎・現ソムリエ協会副会長
写真タンニンもソフトでまるみのあるメルローは人気のぶどう品種

●ソムリエ有資格者数はただいま1万1513人

 日本ソムリエ協会では、1985年から「ソムリエ呼称資格認定試験」を実施しています。現在、ソムリエ有資格者数は1万1513人、内訳は男性が5923人、女性が5590人です。

 “ソムリエ”とは、ワインを中心とする酒類や飲料、食全般の専門的知識を有する者で、その活動拠点は飲食提供を伴う場所と決められています。

●3年に1度開催される『世界最優秀ソムリエコンクール』

 NHKの番組では、この5月、ギリシャのロードス島で開かれた第12回『世界最優秀ソムリエコンクール(スペイン大会からロードス島に変更)』に日本代表として出場していた佐藤ソムリエの奮闘ぶりを、彼の日常と合わせて取材していました。

 3年に1度開かれる世界大会では、国際ソムリエ協会(ASI)に加盟している世界各国(参加44カ国)の代表ソムリエが集い、No1の座を目指して戦いましたが、今大会では35歳のスウェーデン代表、アンドレア・ラーソン選手が優勝しました。

 2005年の『全日本最優秀ソムリエコンクール』で優勝し、出場権を得た佐藤ソムリエは入賞こそ逃しましたが、大健闘していました。テレビが導火線となって沸いたソムリエフィーバー、“ソムリエ”という仕事に世間の注目が集まれば、ワイン界としてはとても喜ばしいことです。

●ASI加盟後、4回目の大会で誕生した田崎ソムリエ世界一!

 ソムリエ協会の前身は「飲料販売促進研究会」です。東京のホテルマン23人だけで活動を始めたのが1969年。1976年には任意団体『日本ソムリエ協会』と名を改め、"ソムリエ"という言葉がここで初めて登場しました。1985年には厚生省(現在の厚生労働省)から許可を受け、ソムリエ協会は社団法人として新たなスタートをします。

 翌1986年、ASIに加盟したソムリエ協会は、ヴェニスで開かれたコンクールに日本代表を初出場させますが、89年パリ大会、92年リオデジャネイロ大会と3大会続けて、今ひとつ振るいませんでした。しかし……1995年、東京大会で田崎真也・現ソムリエ協会副会長が“世界一”という快挙を達成、アジア圏初の世界チャンピオンが誕生します!

 その3年後に開かれたウィーン大会では決勝進出が果たせなかった石田博・現「ベージュ東京」支配人も、2000年のモントリオール大会では念願成就、第3位に入賞しました。

 田崎、石田、佐藤という名ソムリエたちを代表とする日本のソムリエ界、その実力は世界のトップクラスであることを強く印象付けています。

●国際ワインコンクールでも日本のワインが金賞を!

 ちょうど、ロードス島大会から1週間ほど過ぎた頃、スロベニア共和国のリュブリアーナ市では世界24カ国から557アイテムのワインがそろえられ、第53回『リュブリアーナ国際ワインコンクール』(注)が開催されました。日本からもワインが出品されていましたが、それらの中から、長野県産メルローから造られた2アイテムが金賞を受賞しました。

 ワインはサントリー塩尻ワイナリー『桔梗が原メルロ2002』、メルシャン『シャトー・メルシャン長野メルロー2004』で、後者は“ナショナルチャンピオン(6アイテムのみ)”も受賞しています。

●1950年代から始まったメルローへの取り組みと成果

 長野県でのメルロー栽培に関しては、早い時期から、その将来性を信じ、試行錯誤を繰り返しながら尽力してきた『五一ワイン』の林幹雄社長や、地元の農家を説得し、メルロー造りを奨励してきた故浅井昭吾(ペンネーム:浅井宇介)先生らの努力が実り、地元のワイナリーも素晴らしいワインを生産するようになっています。

 長野産メルローの国際ワインコンクールにおける受賞歴は1989年が最初で、この時は『シャトー・メルシャン信州桔梗が原メルロー1985』が同コンクールでグランド・ゴールド・メダルを受賞、その後も多くの国際ワインコンクールで長野産メルローから造られるワインは結果を出し続けています。

 もし、世界のメルローと日本のメルローを飲み比べる機会がありましたら、その時は是非、ボトルを隠したブラインドの状態でお試しください。「日本のワインなんて……」という先入観を捨て去っていただくためにも。

 (注)1955年からスロベニア共和国のリュブリアーナ市で定期的に開催されている国際ワインコンクール。ぶどう栽培とワイン醸造について権威ある国際機構「国際ぶどう・ぶどう酒機構(略称OIV、本部パリ)」が後援。国際ワインジャーナリスト協会(世界50カ国1800人以上のジャーナリストが加盟)の2007年挌付け第2位の世界ワインコンクール。

【お試しいただきたいワイン】

金賞受賞ワイン

  • サントリー塩尻ワイナリー特別醸造『桔梗ケ原メルロ』 
  • シャトー・メルシャン 長野メルロー 
  • シャトー・メルシャン 桔梗ケ原メルロー 

長野メルローの先駆者がつくる卓越したワイン

  • 林農園 五一桔梗ケ原メルロ 

プロフィール

青木 冨美子(あおき・ふみこ)
慶応義塾大学卒業。(社)日本ソムリエ協会機関誌編集長http://www.sommelier.jp。NHK、大手洋酒メーカーを経て、現在、フリーランス・ワインジャーナリスト。1990年(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー資格取得。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』協力執筆『ワインの事典(柴田書店)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。女性誌への執筆、各種企業向けワイン講師のほか、現在、昭和女子大学オープンカレッジの講師として活躍中。個人のBlogは『青木冨美子の公式Blog』

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