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コラム「ワインの歳時記」

太陽が似合う国イタリア! ビバ・イタリアワイン!!

2007年08月07日

 今月は太陽が似合う“イタリアとスペイン”に注目してみます。まずはイタリアからスタートです! イタリアはフランスの高貴品種であるカベルネやシャルドネなどから素晴らしいワインを生産していますが、同時にイタリア土着のぶどう品種からも高品質なワインを造っています。2007年3月末の時点で政府が公認し、EUが承認しているワイン用ぶどう品種は何と387種、ぶどうの豊富さはイタリアワインの魅力のひとつです。

写真シチリアの夕日 画像協力:中島董商店
写真シチリアの街のたたずまい 画像協力:中島董商店
写真シチリア・ビアンコ・カタラットとサーモン・オリーブ ケッパーのマリネ
写真ブラインドテイスティング中の内藤和雄選手
写真右から2本目がフェッラーリのペルレ2000

●土着ぶどうはその土地の料理と合わせて楽しむ

 7月下旬、輸入元中島董商店の招聘(しょうへい)で、シチリア州にあるカラトラージ社の輸出担当重役が来日しました。私にとってシチリアは未踏の地。大好きな映画『ニュー・シネマ・パラダイス』やコッポラ監督の名作『ゴッド・ファーザー』の舞台になっているところなのでワインと関係なしでもときめきを感じる場所です。

 試飲会場となったのは渋谷にあるシチリア料理専門店『チェント・アーニ』でした。シチリアを中心とした南イタリア料理と同社がリリースしたワインのマリアージュを楽しんで、という趣向の催しだったのですが、この日、やはり心ひかれたのは“土着ぶどう”。ワインに合わせて用意されていたサーモン・オリーブ ケッパーのマリネとカタラット種ぶどうから造られた『シチリア・ビアンコ・カタラットIGT』はとてもグッド! それ以外の料理でもニンニクとオリーブオイルの風味はワインをさらに引き立てていました。土地のワインとその土地の料理、これは組み合わせの定石(じょうせき)です。

●感激ものだったイタリア・ソムリエ・コンクール

 今春『JET CUP』が開かれました。イタリアワインのプロを育成する日本初の試みとして日欧商事が主催したコンクールで、全国から223名の応募があり、予選、準決勝を経て決勝に進んだのは5名の選手たち。フランスを中心とするソムリエのコンクールは何度も見ていたので、いつも通りファイナルを観戦していた私ですが、次第に「いつもと何かが違う!」という気分に。何が違うのか? コンクール自体とても熱いのです。選手から伝わってくるものはイタリアへの熱き思い! 語学のレベルも素晴らしく、全員イタリア語で接客していました。世界コンクール並みです!

 中でも優勝した内藤和雄選手のサービス実技はとにかく丁寧。イタリアにほれこんでいる男の姿がガンガン伝わってきてくぎ付け状態に。見ていてジーンとくるものがあり思わず目もウルウルに……

 コンクール後、審査員たちが「彼のサービスは実に良かった」と話しているのを耳にした時、内藤選手のイタリア大好きの気持ちが観客にしっかり伝わって本当に良かったと思いました。

 主催した日欧商事は優れたイタリアワインを数多く輸入しています。私の一押しは何と言ってもフェッラーリのスパークリングワイン! オープンカレッジの講座でも圧倒的支持を得ているシャンパンに負けない泡の逸品です。

●全土でワイン生産をしているイタリア

 前述のコンクールで「イタリアワインの強みは何ですか?」という口頭試問がありました。選手たちは一様に「イタリアではいろいろな種類のワインを造っているので、お客さまの好みに合うワインを“必ず”探し出すことができます」と答えていたのが印象的でした。選手の皆さんが強調していた通り、南北に長いイタリアは、多様な土壌と変化のある地形に恵まれているので、20州全土でワインを生産しており、そこにイタリアの底力を感じることができます。

 私の周りにはイタリアに恋した人がたくさんいます。イタリア食文化の啓蒙(けいもう)者長本和子さんしかり、彼女が経営する『カシーナ・カナミッラ』の佐藤シェフ、望月シェフ・ソムリエもしかりです。先日、長年イタリアで修業してきた望月ソムリエに、「リーズナブルでこれぞ!」と思うワインを伺ってみました。以下、私のお薦めとあわせて、彼からの推奨ワインも列記しておきます。

 太陽の下で、あるいは夕日を見ながら、盛夏に飲んでいただきたいイタリアの白ワイン、大いにご堪能ください。

【お薦めしたいワインたち】(*は望月ソムリエ推奨ワイン)

〈ピエモンテ州〉

  • *ロエロ アルネイス ブルーノ ジャコーザ

 ピエモンテ州の土着品種アルネイスから生まれたワイン。ハーブやグレープフルーツなどの溌剌(はつらつ)とした香りと程よいミネラル、酸味が特徴。ブルーノ・ジャコーザはバルバレスコが誇る生産者。

〈トレンティーノ・アルト・アディジェ州〉

  • *テルラーネル クラッシコ テルラーノ

 シャルドネ、ソーヴィニヨン、ピノ・ビアンコの混醸。望月ソムリエが最初に衝撃を受けた生産者とのこと。協同組合で色々な価格帯のワイン、色々な品種のワインを造っているがどのワインもミネラル豊かで上品な酸味があり、コストパフォーマンス抜群。

〈ヴェネト州〉

  • *ソアーヴェ クラッシコ ラ フロスカ ジーニ

 ガルガーネガ種100% 。ソアーヴェ地区のリーダー的存在で、上品さ、奥行きの深さを追求する作り手。バリック熟成ながらほとんど樽(たる)の印象を感じさせない絶妙のバランスの良さと包容力が魅力。

〈フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州〉

  • *ピノ・グリージョ・リス ネリス グリス

 ピノ・グリージョ100%。心地よい樽香とフリウリ地域特有の豊富なミネラルとボリューム感が特徴。

〈トレンティーノ・アルト・アディジェ州〉

  • フェッラーリ・ペルレ

〈トスカーナ州〉

  • “レ・リメ”トスカーナ バンフィ

〈ウンブリア州〉

  • オルヴィエート・クラッシコ アンティノリ

〈カンパーニア州〉

  • ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ・ビアンコ フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ

〈シチリア州〉

  • テラーレ・シチリア・ビアンコ・カタラット(有機ワイン) カラトラージ

プロフィール

青木 冨美子(あおき・ふみこ)
慶応義塾大学卒業。(社)日本ソムリエ協会機関誌編集長http://www.sommelier.jp。NHK、大手洋酒メーカーを経て、現在、フリーランス・ワインジャーナリスト。1990年(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー資格取得。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』協力執筆『ワインの事典(柴田書店)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。女性誌への執筆、各種企業向けワイン講師のほか、現在、昭和女子大学オープンカレッジの講師として活躍中。個人のBlogは『青木冨美子の公式Blog』

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