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コラム「ワインの歳時記」

バレンタインデーにはワインとチョコの組み合わせを楽しむか、ビジュアルで楽しむか

2008年02月12日

 9日付の朝日新聞に、バレンタインデーに向けての「男性に喜ばれるチョコレート」のベスト5が載っていました。1位はフランス、ブルゴーニュ地方の秀逸な生産者ラルー・ビーズ・ルロワ女史の99年ヴィンテージのワインをショコラティエのパスカル・カフェのチョコに練りこんだ「アムール・ド・ショコラ2008」とか。でも、これってワイン好きなら男女関係なしに、もらって嬉しいプレゼントですよね♪ 

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ピンクのかわいいチューリップに春の気配を感じます

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街には色とりどりのチョコレートが!

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赤いハートの『リトル・レベル・ピノ・ノワール』と『シャトー・ケフラヤ』(右)

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バレンタインデーの定番ワイン『サンタムール』

●チョコとワインの組み合わせの定番

 ポルトガルの銘酒ポートやマディラ、またルーション地方のバニュルスなどの甘口タイプは、昔から“チョコとの組み合わせの定番”としてよく知られています。食後のゆったりとした時間の中で、1日の疲れを癒すひとときは、何と言っても最高です。 

 そして、もう1つは赤ワインとの組み合わせ。ボルドー地方原産のぶどう品種、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の“タンニン”を多く含んだ若い赤ワインとのマリアージュで、私はこの組み合わせが好きで良く試します。両方に共通している「ポリフェノール」、つまり、チョコレートの成分であるカカオのポリフェノールと赤ワインの渋味成分であるタンニンのポリフェノールが双方の相性をとても良くしてくれます。

『ワインの常識がガラリと変わる本』(講談社+α文庫)の著者で、ワインと料理の権威、渡辺正澄先生はいつもいろいろな組み合わせを教えてくださるのですが、バレンタインデー向けの一押しは「メルロー品種のワイン」と「チョコレートのオレンジマーマレード添え」だそうで、マーマレード添えのチョコはオレンジピールチョコと同じニュアンスです。イメージできますよね。味の感じ方は人それぞれ違いますが、先生は「9割以上の人が納得する組み合わせ!」と太鼓判を押していました。

●決まりごとに左右されず、自由に楽しむためのワイン

 さて、ここからはラベルにあるかわいい絵柄や文字にフォーカスしてみます。

 昨年末、オーストラリアワイン事務局のお仕事で、6種類のお薦めワインを選ぶチャンスがありました。中に1種類、ユニークなラベルが! 細長の白地のラベル中央に赤いハートが描かれており、その上には『Little Rebel(小さな反抗)』と印字されています。ワインメーカーのケイト・グッドマン女史は従来のワインの「決まりごと」に左右されることなく、自由に楽しむことを旨として造ったワインなので、そのように命名したそうです。

 オーストラリアの冷涼なワイン産地ヤラ・ヴァレー産で、ぶどう品種はピノ・ノワール。スパイシーで、土のニュアンスもあり、凝縮感のあるワインです。余談ですが、山椒をたっぷりかけたうなぎの蒲焼にもよく合います。

●レバノン産ワインのラベルにも赤いハートのマークが!

 次なるワインはレバノン産。『シャトー・ケフラヤ』という名のワインです。主要品種はフランス原産のカベルネ・ソーヴィニヨン&シラー、それから南仏やスペインで栽培されているムールヴェドル、これら3品種がブレンドされています。時として、南仏で人気のカリニャンを使うこともあります。

 ワイン造りの歴史は6000年前のフェニキア時代にさかのぼるといわれるレバノンの地で、シャトー・ケフラヤのオーナーは1970年から本格的なワイン生産を開始しました。レバノン内戦時代も戦火の中でワイン造りは続けられたそうです。ボトルの形も独特で、特にラベルの色どりがおしゃれなのでびっくりしました。

 ラベルの中に描かれたワインボトル、その中にある赤い大きなハートのマークが印象的なポリフェノールたっぷりのワインです。

●ボージョレ地方を代表する有名な“サンタムール(聖なる愛)”

 日本では、桜の季節と11月の第3木曜日に話題になるのがフランス、ボージョレ地区の赤ワイン、ボージョレです。

 上質なワインを産する10のクリュの中の、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァン、サンタムールなどは長期熟成にも耐えられる格上ワインとして知られています。ぶどう品種はガメイ、きれいなルビー色と芳醇な香りは飲む人を魅了してやみません。

“聖なる愛”を意味する『サンタムール』は、バレンタインデーの定番として、10年以上前から高い人気を誇っています。ハートラベルもあるのですよ。

 さて、きたる14日は、チョコとワインの組み合わせを選ぶのか、ハートの絵柄や文字を頼りにワインを選ぶのか。楽しみながら悩んでくださ〜い。 

【お薦めワイン】

▽かわいいハートのラベル

  • ヤラ・ヒル・ワイナリー リトル・レベル・ピノ・ノワール ヤラ・ヴァレー(オーストラリア)

▽“聖なる愛”という名のワイン

  • ジョルジュ・デュブッフ サンタムール(フランス、ボージョレ地区)

▽ポリフェノール同士を組み合わせて

  • シャトー・ケフラヤ(レバノン)
  • ジャン・ピエール・ムエックス社 ラ・フルール・ぺトリュス(フランス、ポムロール地区)

▽チョコとの相性を楽しむ

  • M・シャプティエ社 バニュルス(フランス、ルーション地方)
  • バーベイト・マルヴァジア10年(ポルトガル、マディラ島)

プロフィール

青木 冨美子(あおき・ふみこ)
慶応義塾大学卒業。(社)日本ソムリエ協会機関誌編集長http://www.sommelier.jp。NHK、大手洋酒メーカーを経て、現在、フリーランス・ワインジャーナリスト。1990年(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー資格取得。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』協力執筆『ワインの事典(柴田書店)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。女性誌への執筆、各種企業向けワイン講師のほか、現在、昭和女子大学オープンカレッジの講師として活躍中。個人のBlogは『青木冨美子の公式Blog』

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