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最高のマリアージュ探求に3年以上かけるドメーヌ・ペランはやっぱりすごい!2008年03月11日 先週、ローヌ南部の卓越した造り手ドメーヌ・ペラン社の4代目当主ジャン・ピエール・ペラン氏が専属のシェフ、ローラン・デコニック氏同伴で来日しました。ペラン氏は「われわれのファミリーを取り巻くすべてのものを、ワインと料理を通して紹介していきたいと思っています」とあいさつしていましたが、その日のワインと料理のマリアージュは最初から最後まですべてパーフェクト! それらはオーナーとシェフが3年以上の歳月をかけて完成させた究極の組み合わせだったのです!
●ドメーヌ・ペランの専属シェフのローランさん
ローラン・デコニック氏は、ピエール・ガニェールやアラン・サンデランスといった星付きレストランのシェフたちと一緒に料理を学んでいた人で、現在はペラン社が生産する低価格レンジのワイン『ラ・ヴィエイユ・フェルム』の赤・白・ロゼから、高級レンジの『シャトー・ド・ボーカステル』の「オマージュ・ア・ジャック・ペラン」までの各ワインに合う料理を考えることを仕事にしています。ドメーヌ・ペランの専属シェフというわけです! 彼はそれぞれのワイン、それぞれのヴィンテージ、そしてそれぞれのぶどう品種の個性をきちんと理解した上で、ペラン氏と意見交換を重ね、最高のマリアージュ探求に取り組んでいます。
●ワイン生産者が自分たちのワインに合う料理を考えていく時代
ワイン業にかかわって40年というペラン氏は、多くの試飲会を体験していますが、昨今の試飲会には違和感を抱いていたようです。毎回のように受ける質問はクローンやワインの発酵、醸造期間に関するものであり、試飲会自体の内容も似かよったものになっていると感じていました。
その彼が2年ほど前から始めたのが今回のようなスタイルの会で、シンガポールやドイツなどでも行なってきました。日本でも昨年初めて実施しています。それは同社のワインと、そのワインに精通している専属シェフが作る料理とのマリアージュを、参加者たちが体感できるという形式です。
ペラン氏はその点について、「これは“食べるという行為”ではなく、“味わいを探求するための食事会”であり、“文化的な試飲会を体感した”と理解して欲しい」と説明しています。さらに、「シェフたちがワインに合わせて料理を作っていた時代から、ワインの造り手が自分たちのワインに合う料理を考えて紹介していく時代になってきているということです。フランスではまだ誰もこのような試みをしていません。ワインは最終的に食卓で楽しむものなのですから、われわれが普段食べている料理を紹介することで、歴史、人生、文化を知ってもらうことができるはず。これは何より嬉しいことであり、興味深いことです」と語っていました。
●マンダリンオリエンタルの『シグネチャー』を舞台にして
最高のマリアージュ体験ができた場所は、日本橋のマンダリンオリエンタルホテルの37階にある『シグネチャー』です。ここは『ミシュランガイド東京2008』の一つ星に輝いたフレンチレストランで、ソムリエ協会理事の加茂文彦名ソムリエも活躍しています。
今回、こちらの厨房を使い、デコニック氏が披露してくれた料理をご紹介しますと、
(1)タヴェル・ロゼ2006に合わせて「イワシのグリエにういきょう、トマトのコンフィ、マジョラム風味のグリーンピース」
(2)シャトー・ド・ボーカステル2006 ヴィエイユ・ヴィーニュ シャトーヌフ・デュ・パプに合わせて「ウニと黒トリュフのリゾット」
(3)同1990 ヴィエイユ・ヴィーニュ シャトーヌフ・デュ・パプに合わせて「オマール海老のアルガンオイルソテー」
(4)シャトー・ド・ボーカステル・ルージュ2004 シャトーヌフ・デュ・パプに合わせて「仔牛フィレのポワレ、サリエットのソース ジロール茸添え」
(5)同1998 シャトーヌフ・デュ・パプに合わせて「根セロリ、黒トリュフ、フォアグラのラビオリ仕立て」
(6)同1990 シャトーヌフ・デュ・パプに合わせて「仔羊背肉のロースト プロヴァンスの白いんげん豆と共に」
(7)ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ2005に合わせて「ブラマンジェ、カモミールソース、セージのクリスタリゼ」
ペラン氏は「マリアージュとは、ワインを飲み、料理を食べ、これら2つを一緒に楽しんだ時に、新たな感覚や感動を覚えること」と表現していましたが、何度も試行錯誤を繰り返しながら積み上げてきた組み合わせは絶妙なバランスでした! 「最低でも3年間はかかります」という言葉も印象的でした。
双方が口中で合わさった時の印象はとてもライトで、ワインを一口飲み、次に料理を口に運び、もう1度ワインを口にした時に、双方が舌の上で混然一体になる感触はなんとも言えない快感です。ボーカステルは1970年代からビオディナミ農法を導入しており、すべての面において、“ひとつ先行く生産者”だと私は感じています。
●「うなぎと山椒」のマリアージュが3年後には実現?
当日、ちょっとしたハプニングが! シャトー・ド・ボーカステル・ルージュ1990が供出された時、加茂ソムリエが「花山椒」を持ってきてくれました。土用の丑の日に絡んだ「ワインの歳時記」で、うなぎとシャトー・ド・ボーカステル・ルージュ2000のマリアージュについて書きましたが、その時、ワインと料理をつなぐ橋渡し役として「山椒」を登場させました。
ペラン氏には日本の貴重な調味料である「山椒」を知っていただきたいと思いました。彼はノートに「山椒」という名をメモしていましたので、願わくば帰国前に是非うなぎに挑戦していただきたいと思っています。花山椒を口にして「結構くるね!」とおっしゃった後、口中での味わい、香りの変化を感じてくださったようです。ロワールワインがお好き、と話されていたので、うなぎという食材については抵抗ないと思われます。
シェフとの議論を重ね、3年後にボーカステルのワインが、うなぎとの最高のマリアージュを見せてくれるかどうか。異文化が反映すれば、そして、それが叶えば私としてはとても幸せなことだと思っています。
【お薦めワイン】
▽リーズナブルで品質の良い『ラ・ヴィエイユ・フェルム』
▽食中酒として楽しむことができる本格派ロゼ
▽ルーサンヌから造られるローヌ南部最高峰の白ワイン
▽ヌフ・デュ・パプの中でも圧倒的人気を誇る
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