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ワイン・シーズンを美味しく愉しむ

山梨県のワイン文化をもっと身近に!〈その2〉

2009年11月9日

  • 筆者 青木冨美子

写真中央本線旧深沢トンネル跡が勝沼トンネルワインカーブになりました!写真県内ワインの品揃え豊富な『フォーハーツカフェ』で、スパークリングワインをチェック!写真老舗ワイナリー『サドヤ』のカベルネ・ソーヴィニヨンは棚式栽培です写真『勝沼醸造』金川ワイナリーの平山繁之工場長の説明を受けながら「甲州ヌーボー2009」を試飲写真『国産ワインコンクール2009』のスパークリング部門で金賞&最優秀カテゴリー賞をゲットしたメルシャン「勝沼のあわ2008」

 今回は山梨県のワインを身近に楽しんでいただくための情報や観光スポットについてピックアップしてみました。

■2005年に誕生した『勝沼トンネルワインカーヴ』

 中央本線勝沼ぶどう郷駅から徒歩で約30分。大日影トンネル遊歩道を抜けると勝沼トンネルワインカーヴに出ます。カーヴは1902年(明治35年)に貫通し、翌1903年に開通した同線旧深沢トンネル跡に作られたもので、東日本旅客鉄道が、2005年に旧勝沼町に無償で譲渡し、現在は『ワインの丘』が管理しています。全長約1100メートルの天然カーヴの奥900メートルは、ワイナリー各社のセラー、手前200メートルは個人用に貸し出されています。レンタル料は1ロット(約300本程度)月2500円なので、現段階で90人ほどがキャンセル待ちとのこと。施錠された個人所有の貯蔵庫には長期熟成タイプのワインが静かに眠っています。レンガでできたトンネルには蒸気機関車のすす跡もあり、古き良き時代を偲ぶことができます。“天高く馬肥ゆる”行楽シーズンのウォーキングには適度な距離の観光スポットといえます。

■県産ワインを多く扱う地元で人気の『フォーハーツカフェ』

 ソフトツーリズムの笹本貴之社長から「山梨県産ワインが一番多くそろっているお店ですよ」というお話をうかがっていた『Four Hearts Cafe フォーハーツカフェ』は、地域の“食材”と“ヒト”が集まる甲府市のお店で、空席ができてもすぐに埋まってしまう盛況ぶり。前回の画像で紹介したカラフルな冊子を発行しているオーナー大木貴之さんの飾らない人柄が魅力のお店です。

 同店には山梨野外研修初日の夜、講座生と一緒にお邪魔させていただき、「山梨県のスパークリングワインを」というリクエストをしてみました。アイテムが豊富なので、画像にあるワインもすぐにそろってしまう迅速さに感心しつつ、一同、ワイン選びと地産の食材を使った料理を堪能しました。

■サドヤのカベルネは棚式栽培、勝沼醸造のフレッシュな甲州ヌーボー

 老舗ワイナリーのサドヤでは、黒ぶどうのカベルネ・ソーヴィニヨンと白ぶどうのセミヨンを棚式で栽培しています。「ロゼ・スパークリング2008」はサドヤ農場産のカベルネ100%で、炭酸ガス注入式のヴィンテージもの。セニエ法で抽出された色調はきれいなサーモンピンク、ほどよいタンニンがあり、アペリティフから油脂系の料理まで幅広く対応できます。人気のスパークリングなので現在品切れ中。11月中旬には入荷予定で、ネットでの購入も可能です。

 有賀社長の“アルガ”をブランドに冠する勝沼醸造の「アルガブランカ・ブリリャンテ2005」はシャンパン製法によるヴィンテージもの。同社の専務であり、金川ワイナリー工場長である平山繁之さんは「勝沼町産甲州100%で、瓶熟期間は2年以上、動瓶は手作業。出来るだけ早い時期に滓抜きも手作業でおこないたい」というこだわりを語っていました。

 醸造工程の見学途中、仕込み中の甲州をタンクから試飲させていただきました。11月3日発売の「甲州ヌーボー2009」はフレッシュで果実味豊かな味わい。瓶詰されて市場に出てくるのが楽しみです。

■メルシャン勝沼ワイナリーは来夏、ワイナリー『シャトー・メルシャン』に変わります!

 『国産ワインコンクール2009』のスパークリング部門で、金賞&最優秀カテゴリー賞を受賞したメルシャン『勝沼のあわ2008』。製法は炭酸ガス注入式、厳選した原酒を選び抜き、甲州きいろ香の技術も導入しています。シャンパンと同じ5気圧のガスを有するため、ボトルは圧力に耐えうる厚みにし、また、ラベルは和紙を使って日本らしさを表現しています。講座生からも「おいしい!」との声がたくさん出ていました。味村興成チーフワインメーカーは「リーズナブルで味わいが良いスパークリングということで造りあげました」とおっしゃっていましたが、“生地の良さ”がよくわかるワインでした!

 さて、年間の見学者が多く、日本ワインのけん引役をしてきた『メルシャン勝沼ワインナリー』が、11月4日から来年の7月31日までリニューアル工事のため、休業となります。総工費10億円をかけ、来夏には新ワイナリー『シャトー・メルシャン』として、より一層充実した施設となって生まれ変わります。〈詳細はこちら〉

 ワイナリーのサイトには見学についての案内が載っています。現地のワイナリーを訪問する際は、事前にチェックし、電話予約することをお薦めします。時間を有効に使うためにもこまめなチェックをお忘れなく!

〈関連情報〉

勝沼ワインカーブ案内所 0553−20−4610

Four Hearts Cafe(フォーハーツカフェ)

サドヤ

勝沼醸造

グレイスワイナリー

丸藤葡萄酒工業

【お薦めワイン】

  • サドヤ ロゼ・スパークリング2008(11月中旬入荷予定)
  • 勝沼醸造 アルガブランカ ブリリャンテ2005
  • メルシャン勝沼のあわ2008
  • グレイス甲州
  • ルバイヤート 甲州シュール・リー2008

プロフィール

青木冨美子(あおき・ふみこ)

NHK、洋酒メーカーを経て、現在フリーランス・ワインジャーナリスト
2009年5月シャンパーニュ騎士団「シュヴァリエ」受章
ワイン本の執筆や監修、企業向けのワイン講師。『昭和女子大学オープンカレッジ』、『ホテルオークラ ワインアカデミー』専任講師
1999年3月から2006年3月まで(社)日本ソムリエ協会理事。2003年3月から2009年3月まで、機関誌『Sommelier』の3代目編集長として活動。
著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社)』、執筆協力『ワインの事典(柴田書店)』、監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。2008年11月にリリースした『映画でワイン・レッスン(エイ出版社)』好評発売中!

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