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ワイン・シーズンを美味しく愉しむ

ちょっぴりミーハー気分で映画の舞台ナパを散策

2009年12月1日

  • 筆者 青木冨美子

写真29号線沿いの『テイラーズ・オートマチック・リフレッシャー』写真『サイドウェイズ』のプレミア試写会での舞台挨拶写真樽熟成中のカベルネ・ソーヴィニヨンについて語る『ダリオッシュ』のダン社長写真プライベートセラーでは特製チーズに合わせて4アイテムを試飲写真麻有子の勤務先はワインショップ『エノテカ』写真『サラフォルニア』はミナが勤めるカフェとして登場写真主人公たちが最初に出会うシーンに使われた『ドン・ジョバンニ』

 2004年の米映画『サイドウェイ』では、カリフォルニアのワイン産地サンタ・バーバラとブルゴーニュ系品種ピノ・ノワールが話題になりました。現在、有楽町スバル座ほかで公開中の『サイドウェイズ』はオリジナル版のリメイクで、こちらはナパが舞台。登場するワインもボルドー系品種のカベルネ・ソーヴィニヨンが中心です。

■余談ながら、私のお薦めスポットは

 まず初めに、ナパで人気のハンバーガーショップについて触れておきます。映画には登場しませんが、味わいと価格の両面からお薦めしたいのが29号線沿いの『テイラーズ・オートマチック・リフレッシャー』。熱狂的なハンバーガーファンでなくても、お肉の“ジューシーさ”には心惹かれます。地元の人や観光客、取材で訪れる世界各国のワイン関係者の評判も上々です。

■プレミア試写会後のパーティーには映画に登場したワインも

 10月初め、東京国際フォーラムで『サイドウェイズ』のプレミア試写会が開催されました。チェリン・グラック監督、主演の小日向文世(斉藤道雄役)、生瀬勝久(上原大介役)、鈴木京香(田中麻有子役)、菊地凛子(ミナ・パーカー役)、音楽担当のジェイク・シマブクロの各氏が舞台挨拶を行い、その後の完成披露パーティーでは輸入元の協力で、映画に登場したワインが供出されました。

 1回目の試写があった7月末には、すでにナパ行きを決めていたので、この段階でワイナリー『ダリオッシュ』の訪問を考えていました。ナパを愛する友人Mitsyさんと輸入元デプトプランニングの長尾社長の力強いバックアップのお陰で話はすぐにまとまり、さらにプレミア試写会のために来日していたダン社長と訪米前にお目にかかれたことはラッキーでした!

■スーパーマーケットで成功したオーナー

 ナパでワイナリーを立ち上げた人たちの経歴を見ると、弁護士や大学教授、株のディーラーなど様々ですが、『ダリオッシュ』のオーナー、ダリオッシュ・ハレディ氏はイラン生まれで、ロスでスーパーマーケットを経営し、事業拡大に成功した後、1997年かねてからの念願だったワインビジネスに参入しました。2004年に完成したゲストセンターは古代ペルシャ王朝をイメージした建造物で、その豪華さには圧倒されます。

 映画には大介の婚約者の父親が結婚式のパーティー用に準備していたワインとして『ダリオッシュ シグネチャー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2002』が登場しています。「なぜ2002年だったのか」という質問に対して、「好きなヴィンテージを聞かれたので、2002年と答えたら、映画でそのヴィンテージが使われていました。おかげで完売しましたが(笑)」とダン社長。

 プライベートセラーにはフランスのボルドーをはじめとする錚々たるワインが保管されており、ダリオッシュ氏はボルドーの中でもシャトー・オー・ブリオンがお好きとのこと。ダン社長も「ワインはブレンドの技が命、それによって醸造家の力量が問われます」と力説していました。映画に出ていた『シグネチャー カベルネ・ソーヴィニョン ナパ・ヴァレー』は4品種のブレンドで、基本的にはカベルネ・ソーヴィニヨン85%程度、メルロ10%程度、カベルネ・フランは5〜7%の間、若干のマルベックだそうです。濃く深みのある色調で、チョコやヴァニラ、プラムやブラックベリーなどのニュアンスがあり、アルコール由来の甘さが喉の奥に広がってきました。

■『エノテカ』、『サラフォルニア』を散策、ランチは『ドン・ジョバンニ』で!

 映画に登場するスポットとしては、麻有子が勤務するワインショップ『エノテカ』があります。カリストガのリンカーン通りにある、こぢんまりとした可愛いお店で、店主はスパークリングワインへのこだわりがあるのか、品揃えは結構豊富で、初めて見るラベルも多かったように思いました。それぞれのワインにはデータが添付されていて、製品に対する丁寧な心遣いが感じられました。アメリカでは未公開ながら、店頭には宣伝のためのポスターが貼られており、最近では日本人観光客も少しずつ増えているようです。

 道路を渡って少し歩くとミナの働くカフェとして登場していた『サラフォルニア』があります。

 主人公たちが出会うシーンは、イタリアンレストランの『ビストロ・ドン・ジョバンニ』が使われていました。訪問がハロウィーンのすぐ後だったせいか、店まわりには大・小のかぼちゃが! 料理はアメリカ仕様のボリューム感あるスタイルですが、イタリアンのせいか量の割には食べやすく、アットホームな雰囲気で人気のスポットになっています。H.I.S.のツアーに同店が組み込まれているらしく、日本人観光客も散見できました。来年は映画の波及効果も期待できるのでは。

■現地訪問のヒントとして

 ワインカントリーを訪ねる際、一番気になるのは移動手段です。今回我々は知人の紹介で現地在住のガイドにお願いしました。依頼内容によって金額は異なりますが、要望に沿ってアレンジは自由自在、細かな配慮はさすがです。

 レンタカーを利用する場合は『ハーツ』が便利です。日本から予約しておけば空港での受け渡しも簡単にできます。オプションでカー・ナビを付けることもできるので、道に迷うこともなさそうです。国際免許証の取得をお忘れなく!

 秋バージョンのテーマは“ワイン・シーズンを美味しく愉しむ”でした。「オバマ大統領のランチョンに出ていたワインなんだって」とか「サイドウェイズのあのシーンに出ていたワイン!」というような話題をキッカケにすれば、ワインがもっと身近になってきます。どうぞ肩肘はらないワインライフをお愉しみください!!

【関連サイト】

サイドウェイズ

ダリオッシュ

【お薦めワイン】映画の主人公になった気分で

  • フロッグス・リープ ソーヴィニヨン・ブラン
  • ロバート・モンダヴィ ウッドブリッジ・メルロ
  • ベリンジャー ナイツ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン
  • ニュートン・パズル
  • ダリオッシュ シグネチャー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー

プロフィール

青木冨美子(あおき・ふみこ)

NHK、洋酒メーカーを経て、現在フリーランス・ワインジャーナリスト
2009年5月シャンパーニュ騎士団「シュヴァリエ」受章
ワイン本の執筆や監修、企業向けのワイン講師。『昭和女子大学オープンカレッジ』、『ホテルオークラ ワインアカデミー』専任講師
1999年3月から2006年3月まで(社)日本ソムリエ協会理事。2003年3月から2009年3月まで、機関誌『Sommelier』の3代目編集長として活動。
著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社)』、執筆協力『ワインの事典(柴田書店)』、監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。2008年11月にリリースした『映画でワイン・レッスン(エイ出版社)』好評発売中!

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