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 「チャーハンをパラパラに上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、みなさんおなじみの中国料理のメニューについて、ある料理にスポットを当てそれに関する疑問に答え、どのようにしたらより美味しくなるかを考えます。けっして難しいことはないのですが。

フレッシュなデザートが食べたいな

2011年4月1日

写真マンゴーの香港風デザート(楊枝甘露) レシピはこちら写真香港唯一の三ツ星レストラン「龍景軒」(フォーシーズンズホテル)のスイーツ。一番手前右が楊枝甘露。写真香港で人気のスイーツ店「糖朝」のメニュー。甘い料理だけでもざっと70種類ほどある。写真メキシコ産アップルマンゴー写真スウィーティー。甘さと酸味のバランスがよい。

 今回ご紹介する「楊枝甘露(イヨンヂーガムロウ マンゴーの香港風デザート)」は香港で大流行し、日本の中国料理のレストランや中国デザート専門店でも、今じわじわと人気が高まっています。絶対ブレイクすること間違いなし。このスイーツの魅力は濃厚なマンゴーとココナッツソースの中に甘酸っぱい柑橘類の粒々感とタピオカのモチモチした食感。今回は出来るだけスーパーで揃えられる食材を使ってリッチに作ります。おりしも今は春! これからどんどんおいしくなる時を迎えるマンゴーとグレープフルーツ達を引き連れ、いざ香港スイーツワールドへ!!

塘:今回のテーマは「香港スイーツ」ですが、まず簡単に香港について語って下さい。

藤田:了解! 香港は香港島、九龍半島、新界やその島の周辺の南シナ海にある235余りの島を含めた地域だそうです。面積は東京の2倍くらいあるとか。香港は亜熱帯気候に属していて高温多湿なため、冬でも14℃〜18℃くらいと日本と比べたら暖かいです。その代わり湿度が高いので香港のホテルやレストラン、お店の中ではクーラーをきかせて、カビが生えないように湿度調節しているんですね。私も初めて香港に行ったのが冬だったのに、どこに行っても室内が寒くて上着が脱げなかったのを覚えています。外は暖かいですけどね(笑)。

 東京からだと飛行機で4時間30分〜5時間30分程度で行けちゃうくらいで、日本との時差は1時間と、日本とさほど変わらないので、時差ぼけの心配もいりませんね。

塘:香港の魅力とは一言でいうとなんでしょう?

藤田:香港といえばやっぱりグルメ! 特にスイーツ。

 数多の香港通を虜にしているのはやっぱり美味しい料理!! 香港には広東料理をはじめ中国各地の本格的レストラン、麺、お粥、焼き物の専門店や、飲茶の専門店、さらには世界各国の料理を提供するレストランなどがあり、美味しいものを食べる事に関しての香港人のものすごいエネルギーを感じます! グルメ、とりわけ女性の注目を集めているのがスイーツ専門店!! 日本では甘い物を食べると太りそうとか思われがちで、「食べたいな〜」と思っても我慢している人は多いのではないでしょうか? かたや香港ではスイーツにおいても医食同源という考え方があるので、体調に合わせて、夏なら冬瓜入りの温かいシロップを飲んだり、のどが痛いときは白きくらげと洋梨のスープを食べたりと、健康とスイーツの結びつきが強く、その上安い! 大体1品300円くらいのお値段です。香港の方は働いて疲れた一日の終わりに甘いスイーツを専門店で食べるので、夜遅くまでお店が開いているんですよ。

塘:香港のスイーツは独特だそうですが、いったいどんなものがあるの?

藤田:日本でも大人気のマンゴープリンやタピオカ入りのココナッツジュースはもちろん、生姜プリン、ドリアンのアイス、薬草ゼリー入りのお汁粉、タピオカ入りの焼きプリンなどなど、数えきれないほどのメニューがあります。その中でも特に多いのがマンゴーを使ったデザートです。香港で使われているマンゴーは香りが強く甘味があり濃厚で、そのままいただいても美味しいのですが、ソース状にして豆乳のプリンにかけたり、クレープの中に生クリームと一緒に巻いてあったり、マンゴーを生地に練り込んだ団子など、マンゴー好きにはたまらないものばかり。今回、ご紹介している「楊枝甘露」も香港の「利苑酒家」で生み出され、爆発的に大人気になったマンゴーを使ったデザートの一つです。

塘:その「楊枝甘露」っていったいどんなデザートなの?

藤田:香港で大人気のスイーツだけに最近はいろんな店で食べる事ができます。お店によってトッピングの材料は様々ですが、共通しているのが、熟れた芳醇なマンゴーを使い、ココナッツミルクの香りがして、弾力のあるタピオカとシャキシャキ感のあるポメロという柑橘系のフルーツを使っている事。香港で初めて食べた時の衝撃ときたら、自分までマンゴーになってしまったかのよう・・・(笑)。そのくらい濃厚でインパクトのある食感を楽しめるスイーツです! その時の感動を今回はレシピにしてご紹介したいと思います。ポイントはマンゴー! こだわりますよ!

 あ〜そうそう、忘れてはならないのが効能! マンゴーはβカロテンの量が多いのが特徴で、細胞の老化を抑える抗酸化作用があるそうです。また、葉酸も多く含まれているので造血作用があり貧血予防に、食物繊維も豊富です。腸の働きを良くしてくれそうですね。一方グレープフルーツにはビタミンCが多く含まれていて、1日に必要なビタミンCを1/2個でほぼ補給することができるそうです。抗酸化作用もあり、豊富に含まれているクエン酸は疲労回復に役立つそうです。・・・と本に書いてありました。

塘:ふうん身体にも良いんだ〜。ポイントのマンゴーについて教えてください。

藤田:まずは美味しく作っていただくために、マンゴーは必ず良く熟れたものを使います。店頭で売られているマンゴーは少し未熟で固めのものが多いので、購入された後に常温に置き、マンゴーの香りが強くなり指で押しても固さを感じないくらいに熟してから使われると、なお良いと思います。

 全世界で栽培されているマンゴーは500種もあるそうです。日本国内では近年ブームとなり、木からの栄養分を実にたくさん含み、自然落下するまで完熟させて収穫する宮崎県の「太陽のたまご」や「ポトリカマンゴー」は今や高級マンゴーとして有名ですね。

 今回のお勧めマンゴーの種類はうすい黄色い色をしたナムドックマイ種のタイ産マンゴー(11月〜6月に出回る)やカラバオ種のフィリピン産マンゴー(通年)、アーウィン種のアップルマンゴー(国内産なら6月〜8月、台湾産なら6月〜7月)、近年輸入解禁となったアルフォンス種のインド産マンゴー(3月〜5月)など。最近割安感のあるメキシコ産アップルマンゴー(3月〜9月)、同じくブラジル産(10月〜4月)なども良いですね。季節、輸入時期に合わせてその時に購入できる美味しいマンゴーを使われると良いと思います。

 ココナッツミルクは缶詰、冷凍ピューレ、乾燥品(ココナッツミルクパウダー。水に溶いて使う)などが市販されていますが、便利なのが缶詰と冷凍ピューレです。缶詰の場合は油脂分が中で固まっていることがあるので、缶をよく振って漉(こ)してから使いましょう。ピューレの場合は解凍してそのまま使えます。乾燥品は溶きのばす水の量で自分好みのココナッツミルクの濃さに調節でき、粉末なので保存がききます(今回のレシピはココナッツミルクパウダーを使いました)。

 さて次にタピオカですが、芯を残さないでゆでることがポイントです。市販されている珠状のタピオカパールには大粒、小粒、色つきのものがあります。大粒で1時間〜1時間30分、小粒は20分くらいを目安にゆでて下さい。そして最後に重要なのがトッピングに使う柑橘系のフルーツです!

 タイ産のポメロを使われると、酸味が少なく程よい甘さとシャキシャキ感があり、本場のものに近くなりますが、国内で出回るのが12月〜3月くらいと時期が限られることと、市場にあまり出回らないので、入手が難しいかも知れませんね。今からの時期だとフロリダ産のグレープフルーツ(9月〜6月)、中でも4月〜6月が美味しいといわれます。カリフォルニア産のものは春から秋にかけて出回り、周年購入することができます。絶対にお勧めなのが、カリフォルニア、イスラエルから輸入されている「スウィーティー」。薄緑色の皮をむくと白っぽい黄色で種がありません。甘く酸味とのバランスがとても良いのです。国産のものでは高級品ですが、文旦を使われると良いでしょう。文旦といっても国内では数種類栽培され、中でも柑橘類の王様と呼ばれる「晩白柚」は黄色い果実でドッジボールくらいの大きさで、余りの大きさに見た瞬間に思わず目を疑います。分厚い皮の下にしっかりした大粒の実があり、シャキシャキした歯ざわりが何ともいえません! 余談ですが広東料理では、白く分厚いわたの渋を抜いて、甘辛く煮て料理に仕立てますが、これが美味しいのです。

塘:なるほど。簡単なものだけに素材は厳選しなければいけないことがよくわかりました。めちゃ美味しそう! 妻に作ってあげて今年のこづかいのベースアップを狙おう(去年はゼロ解答)。早速今日帰りにスーパーに寄ろーっと。

藤田:では、塘先輩、指南料ということで今月のこづかいから30%を頂きましょう。

塘:了解。では後ほど文旦の皮で。

辻調グループ校50周年

 辻調グループ校は、卒業生約12万人の実績を誇る「料理と製菓のプロを育てる総合教育機関」です。 大阪、東京、フランスに14の学校があります。
*本物を学ぶ。<辻調・辻製菓の別科・通信教育講座>
*料理がわかると、もっと美味しい!<料理検定>

塘 和英(TSUTSUMI KAZUHIDE)

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辻調グループ校 中国料理助教授。1988年辻調理師専門学校卒業。同校職員に。ドリアン以外は何でも大好き。

<疑問に答えるメンバー>
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