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辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。 12時間目 めばるの煮付け2008年03月21日 男性は、大人になるとなぜか「魚の煮付け」が好きになるようで、結婚相手の条件に、「魚の煮付け」が上手な女性を挙げる人が多いと聞いたことがあります。男女を問わず、子供の頃は箸使いもままならず、骨を除きつつ食べる「魚の煮付け」は食べにくい印象があって、なかなか好きになれないものです。しかし、甘辛い味が白いご飯と抜群の相性で、酒の肴としても欠かせないので、大人にはたまらない一品といえるかもしれません。
今回の「めばるの煮付け」は、「魚の煮付け」の中でも王道を行くものです。めばるは、一年を通じて捕れる魚ですが、関西では「タケノコメバル」という言葉があるくらい、筍の出回る時期に一緒に煮付けると最高に相性がよいとされています。「魚の煮付けは難しい」と敬遠する人がいますが、これから挙げるいくつかのポイントさえおさえれば、そんなに難しい料理ではありません。 煮付けのコツ その1 煮る前に「霜降り」を 霜降りとは、材料の表面の色がさっと変わる程度に熱湯に通すことです。魚の場合は、独特のにおいや、残っている血やうろこが取れます。 ぐらぐらと沸いた熱湯を直接かけると身がはじけてしまうので、差し水をした80℃ぐらいの湯をかけることがポイントです。湯の温度が高すぎると、魚に火が通りすぎてしまうので、家庭では落とし蓋をした上から湯をかけた方がよいかもしれません。魚の色が変わったらすぐに水に落とし、落とし蓋の上から水を注ぎながら、水の中で残っていたうろこや血を取り除きます。少し手間はかかりますが、霜降りひとつで魚のくせがなくなります。 煮付けのコツ その2 煮汁は魚が7〜8割かぶる程度に 煮汁はあまり多いと、魚のうまみが無駄に流れ出てしまうため、比較的少なめにします。数匹を煮るときは魚が重ならないよう、底の広い鍋を用います。煮汁の量は魚が7〜8割程度かぶるくらいが適当です。 煮付けのコツ その3 煮汁は水と酒、調味料で 魚の煮付けは、昆布とかつお節の一番だしを用いるとかつおの香りが強く出すぎるので、水と酒に、醤油、味醂、砂糖の調味料を入れて煮ます。あっさりとした味をつけにしたいときは、調味料を控えめにします。甘味の加減は好みで調節してください。特に味醂は上品な甘みがあって、炊き上がりに艶が出るので、上手に使うとよいでしょう。白身魚の煮付けは、身の表面だけに味がつくようにさっと煮て、たっぷりの煮汁をかけていただきます。 煮付けのコツ その4 落とし蓋をしたら中火で 魚は必ず煮汁が沸騰してから入れ、再び沸騰するまでは強火、その後は、落とし蓋の回りから泡がたえず出るくらいの火加減で、できるだけ短時間で火を通します。沸騰している煮汁で、落とし蓋をして全体に煮汁を一気にまわすと、7〜8分間で煮上がります。 ※これらのポイントは、白身の魚の煮付けには共通していえることですが、背の青い魚の場合は少し違ってきます。
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