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和・洋・中と並び、世界には美味しい料理が数多くありますよね。「食べたことはあるけど作り方を知らない」とか、「作ったこともあるけど何か物足りない」ってことないですか?ちょっとしたスパイスを加えることで、料理の味付けはガラリと変わります。スパイシーな料理からちょっと珍しいデザートまで紹介しましょう。

メキシコ料理、味の決め手はトウガラシ!

2008年6月6日

写真ハラペーニョ写真アバネロ(ハバネロ)写真セラーノ(小ぶりで辛い)写真ポプラーノ 左:生。味が濃厚 右:乾燥。辛みは弱い写真辛みの強い乾燥トウガラシ。左:チポトレ、右:アルボル写真辛みの弱い乾燥トウガラシ。左:パスィージャ(甘い香りがある) 右:ウァヒィージョ(うまみが強い)写真
豚スペアリブの煮込み、グリーンソース レシピはこちらから

 中南米の高地が原産のトウガラシ(メキシコではチレChiles)は、ナス科トウガラシ属の一年草。熱帯では多年草になるそうです。ピーマンとは同種で、辛味の強い品種から甘い品種まで世界中に500種以上があります。メキシコでは紀元前5000年から6500年前の遺跡で既に栽培された跡が見られるそうです。コロンブスのアメリカ大陸発見によりヨーロッパに持ち帰られ、スペインに移植されるとわずか200年余りの間に世界中に広まり、世界各地の料理に大きな影響を与え続けてきました。

その本場、メキシコでは、料理の味付けに欠かせないもので、トウガラシの種類もたくさんあります。日本料理に例えると、醤油や味噌、鰹節や昆布のようなものでしょうか?トウガラシといってもメキシコでは形や色、大きさ、風味などさまざまです。激辛のものもあれば、ほとんど辛味の無いものもあります。

メキシコのトウガラシには大きく分けて2種類あります。「生のもの」と「乾燥させてあるもの」です。

生タイプの代表的なものは、最近日本でもよく知られるようになったハラペーニョ、大きなピーマンのような形でもっと味の濃いポブラーノ(写真参照)、メキシコでは一番よく使われるもので緑色のセラーノ(写真参照)、そして最近日本でブームになっているユカタン半島原産の激辛トウガラシ、アバネロ(日本ではハバネロと呼ばれている)などがあります。また辛さの度合いにはスコヴィルという単位が使われますが、アバネロの場合、辛味は30万スコヴィル程度で、これはハラペーニョの約80倍、タバスコの約10倍の辛さに当たります。一部の激辛マニアには珍重されていますが、くれぐれも扱い方には細心の注意が必要です。そして、これらのトウガラシは、そのフレッシュな風味を生かして、ソース(サルサ)などに良く使われます。

一方、乾燥タイプの代表的なものに、ポブラーノを乾燥させたものでよく使われるアンチョ(写真参照)、細長い形で干しぶどうのような甘い香りのするパスィージャ(写真参照)、昆布の出し汁のような旨みを持つウァヒージョ(写真参照)などがあり、これらにはほとんど辛さはありません。

他にはハラペーニョを乾燥させ燻製にしたもので、鰹節のようなスモーキーな旨みを持つチポトレ、日本の鷹の爪に似たアルボル、などがあります。これらはけっこう辛く、乾燥させることによって生じる凝縮された風味や旨みを生かして、おもにスープや煮込み料理などに使われます。大きさも、大きいものなら10cmを超えるものもあり、小さいものはわずか2cm程度のものまであります。

以上のようにメキシコ料理では料理の種類によって、苦みのあるトウガラシ、甘みのあるトウガラシ、旨みの出るトウガラシ、等を使い分けます。又、トウガラシの調理方法も生だけでなく、煮たり、炒めたり、蒸したり、焼いて焦がしたりします。本場メキシコ産のものは手に入りにくいのですが、最近はネットや通信販売で手に入るものもあります。また酢漬けにしたものなどを使って、魅惑的なメキシコ料理にチャンレンジしてみてはいかがでしょう。

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三木 敏彦(MIKI TOSHIHIKO)

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辻調グループ校 フランス料理・エスニック料理専任教授。辻調グループ校で教鞭をとるかたわら、フランスのレストラン「ブーリヨ」、ポール・ボキューズ」、「ジョルジュ・ブラン」にて研修。クリスチャン・ブーリヨ氏(M.O.F.)、ポール・ボキューズ氏(M.O.F.)、ジョルジュ・ブラン氏という一流の料理人に師事。

1992年よりエスニック料理の研究をはじめ、ベトナム、タイなどのアジア諸国をめぐり、またアメリカ合衆国を横断して、さまざまな民族の料理(エスニック料理)を現地で味わった。その経験から、和・洋・中だけでなく、世界にはおいしい料理が数多くあることを伝えたいと願っている。

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