和・洋・中と並び、世界には美味しい料理が数多くありますよね。「食べたことはあるけど作り方を知らない」とか、「作ったこともあるけど何か物足りない」ってことないですか?ちょっとしたスパイスを加えることで、料理の味付けはガラリと変わります。スパイシーな料理からちょっと珍しいデザートまで紹介しましょう。
2008年8月1日
インド料理店のタンドール
タンドールの内側にナーンの生地を貼り付けて焼く
焼き上がったナーンを取り出す
タンドリーチキンのレシピはこちらから
インド料理と聞いて、まっさきに思い浮かべるのは、やはり多種多様なカレーでしょうか?芳醇なスパイスの香りが主材料と混ざり合い、より一層の食欲をかきたててくれる事でしょう。そしてこれらのカレーと共に食されるものの一つに、インド特有のパン「ナーン」があります。生地を平らに広げて伸ばし、タンドールと呼ばれる釜の内側に貼りつけて焼きあげたものです。外側はパリッと、中はモチモチに仕上がります。
タンドールとはインド特有の「土釜」で、北インドからパキスタンにかけてのパンジャーブ地方で使われてきた円筒形の粘土製のオーブンのようなもの。粘土に干草を混ぜ込んで作り上げた大きな素焼きの甕のようなものです。そのままだと、固いものが当たって欠けたり壊れたりするので、胴体部分を地面の中に埋めたり、周囲を漆喰やレンガで覆ったりして使用します。レストランでは立ったまま作業をするのでステンレス製の筒で保護しながら使っている所もあります。
ほとんどの「インド料理」と名の付くレストランには、その一角に耐熱性の強化ガラスで囲まれた調理場にタンドールがあると思いますが、その熱源に炭やガスが多く使われています。特に消防法の関係でガスしか使えないという場合も多いようですが、炭は独特のソフトな炎とまろやかな温度が肉や魚をきれいに焼き上げ、さらに遠赤外線効果で肉や魚の芯まで早く火が入るそうです。外側はパリッと、内側はジューシーな仕上がりになります。また、肉の余分な脂も落ちるので脂っぽくなくよりヘルシーで、さらに燻されることにより香りよく仕上がります。タンドールの温度はとても高温で、開店直後の午前中などは800度〜1000度ほどになります。その後調理をしながら温度が落ち着くと、300度〜500度ぐらいになります。すべての焼き物料理をこのタンドールで調理していると言っても過言ではなく、特に北インド料理には欠かすことの出来ない調理器具の一つです。
そして、このタンドール、レストランにはあっても一般家庭にはありません。多くの日本の人々は、インドの人々は家でカレーとナーンを食べていると思っている方が多いと思うのですが、実はナーンはあまり家庭の食事には出されないのです。
さて今回は日本でもお馴染みの料理、「タンドリーチキン」を紹介しましょう。鶏肉はもも肉でも胸肉でもどちらでも良いのですが、出来るだけ骨付きのものを準備してください。その方が肉の縮みが少なく、骨からの旨味が肉に伝わります。家庭ではタンドールがありませんから、代わりにオーブンやバーベキューコンロを使うか、あるいは肉を小さく切り分けて魚などを焼くグリル用のコンロを使うと良いでしょう。漬け込みに時間はかかりますが、特に難しい作業はないので、前日に準備してビニール袋に詰めて冷蔵庫に入れておきましょう。
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辻調グループ校 フランス料理・エスニック料理専任教授。辻調グループ校で教鞭をとるかたわら、フランスのレストラン「ブーリヨ」、ポール・ボキューズ」、「ジョルジュ・ブラン」にて研修。クリスチャン・ブーリヨ氏(M.O.F.)、ポール・ボキューズ氏(M.O.F.)、ジョルジュ・ブラン氏という一流の料理人に師事。
1992年よりエスニック料理の研究をはじめ、ベトナム、タイなどのアジア諸国をめぐり、またアメリカ合衆国を横断して、さまざまな民族の料理(エスニック料理)を現地で味わった。その経験から、和・洋・中だけでなく、世界にはおいしい料理が数多くあることを伝えたいと願っている。
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