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スパゲッティ、トマト、オリーブ、魚介類といったイメージが強いイタリア料理。ここでご紹介するのは、そんな普通のイタリアではありません。切り口はズバリ「粉もの」! スパゲッティだけじゃない数々のパスタ、さらにピッツァ、パンにお菓子……と、粉もの料理は数知れず。ご案内役は、本校イタリア料理主任教授・永作達宗。日本で粉もの文化といえば大阪!の出身です。「パスタはイタリアのうどんで、ピッツァはお好み焼きや!」というわけではありませんが、ゆかいな仲間たちと一緒に、イタリアの粉もの王国の一面をどうぞお楽しみください。

カーニバルと揚げ菓子

写真カーニバル中のサン・マルコ広場写真写真カーニバルから復活祭までの日程写真「ガラーニ」のレシピはこちらから

 カトリックの国イタリアでは祝祭日や行事ごとが宗教と深く結びついています。特に年末から年始にかけてのクリスマス関連の行事、そして春先の謝肉祭(カーニバル)から四旬節をはさんで復活祭までの期間は大きなものといえるでしょう。

 私、可児慶大が料理の修行をしていたヴェネツィアでも様々な行事がありましたが、中でも毎年2〜3月頃に行われるカーニバルはイタリアで最も有名なもののひとつとして多くの人に知られており、サン・マルコ広場を中心に仮面をつけ仮装した人々によって華麗なスペクタクルが繰り広げられます。

 カーニバルはイタリア語ではカルネヴァーレcarnevaleといい、カルネ・レヴァーレcarne levareを意味するラテン語の言葉が語源とされています。イタリア語でcarneは肉、levareは取り除くという意味で、つまり「肉よさらば」ということです。キリスト教では主イエスが断食をして40日間の修行を行った故事にちなみ、復活祭(「カーニバルから復活祭までの日程」図のb)の前に、日曜日を除く40日間(四旬節)、肉を断って精進します。そこで、肉断ちの40日間の前に、大いに肉を食べ酒を飲んで断食前のうさ晴らしをするようになり、民衆の生活のなかに定着していったのです。カーニバル最終日を「謝肉の火曜日(マルテディ・グラッソ)」(「カーニバルから復活祭までの日程」図のa)といい、断食の始まる四旬節の初日を「灰の水曜日(メルコレディ・デッレ・チェーネリ)」(「カーニバルから復活祭までの日程」図のb)といいます。

 このカーニバルですが何月何日と定まっているのではなく、復活祭から逆算して決まります。実はこの復活祭が「春分の日以降の最初の満月の後の日曜日」という移動祝祭日なので、当然、カーニバルの日も毎年変動するというわけです。

 このように、キリスト教と関係の深いカーニバルも現在では年に1度のお祭りへと変貌を遂げています。カーニバルはイタリア各地で行われていますが、特にヴェネツィアとヴィアレッジョが有名です。仮装のヴェネツィアに対し、ヴィアレッジョでは山車が町をパレードします。2010年のヴェネツィアのカーニバルは2月6日〜16日までの11日間。冬のヴェネツィアの最大のお祭りですから、サン・マルコ広場の華麗なる劇空間をご覧になりたい方は現地におもむかれてはいかがでしょうか。

 さて、お祭りとくればご馳走ですが、イタリア各地にはカーニバルを祝うご馳走がたくさんあります。

 この期間に食べるお菓子には揚げ菓子が多く、グラッパやヴィン・サントで香り付けした生地を色々な形にして油で揚げ、仕上げに蜂蜜や粉砂糖をまぶして大皿に盛り付けます。本来はこの揚げ油も動物性のものを使うとか。

 このカーニバルの揚げ菓子はその呼び名だけを拾ってみても、ローマのフラッぺ(服のひだ飾り)、トスカーナ地方のチェンチ(布切れ)、ピエモンテ地方のブジエ(うそ)、ロンバルディーア地方のキアッキエーレ(おしゃべり)、マントヴァのラットゥーゲ(レタス、ひだ襟)と土地ごとに多彩です。ちなみにヴェネツィアのあるヴェネト地方ではガラーニ(リボンの薔薇結び)やクロストリと呼び、ヴェネトの隣にあるトレンティーノ地方でもクロストリです。形は違うものもあれば、名前が違うだけで同じ形のものもあります。ガラーニはその名の通り細長いリボン状の生地を結んで、クロストリはひし形に切った生地の中央に切り込みを入れて作ります。イタリアの家庭でも作られている簡単なお菓子ですのでぜひ一度作ってみてください。

辻調グループ校50周年

2010年、辻調グループ校は50周年を迎えます。
辻調グループ校は、卒業生約12万人の実績を誇る「料理と製菓のプロを育てる総合教育機関」です。大阪、東京、フランスに14の学校があります。
*本物を学ぶ。<辻調・辻製菓の別科・通信教育講座>
*料理がわかると、もっと美味しい!<料理検定>

永作 達宗(NAGASAKU TATSUMUNE)

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辻調グループ校 イタリア料理主任教授 1950年大阪生まれ。フランスの「ピラミッド」、イタリアのヴェネツィアの「ハリーズ・バー」で研修。辻調グループ各校でイタリア料理の指導にあたる。

<永作達宗とゆかいな仲間たち>
可児 慶大(KANI YOSHIHIRO) イタリア料理専任教授
小竹 龍児(KOTAKE TATSUJI) イタリア料理教授
小林 孝至(KOBAYASHI TAKAYOSHI) イタリア料理教授
野上 昌徳(NOKAMI MASANORI) イタリア料理教授
平形 清人(HIRAKATA KIYOTO) イタリア料理教授
小竹 牧(KOTAKE MAKI) イタリア料理助教授
八重樫 孝成(YAEGASHI TAKAAKI)
菊富 友一(KIKUTOMI YUICHI)
荒井 裕子(ARAI YUKO)
岡田 直也(OKADA NAOYA)

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