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「飛騨牛」と偽り格下肉販売 岐阜・養老の小売業者

2008年6月21日

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 岐阜県食肉事業協同組合連合会(県肉連)の役員に社長が名を連ねる食肉卸小売業「丸明(まるあき)」(本社・岐阜県養老町)の店頭で長年、肉質の要件を満たさない格下の牛肉がブランド和牛「飛騨牛」として販売されてきたと、同社の現職幹部が朝日新聞社の取材に証言した。農林水産省も20日、事実関係の調査に乗り出した。

 一部商品の現物や内部資料などからも表示を偽装した可能性が浮上しており、「日本農林規格(JAS)法や生産流通の履歴を管理する牛肉トレーサビリティー法に触れる恐れがある」(農水省)という。吉田明一社長(65)は「私は知らない。(偽装があったとすれば)従業員がやったことだ」と否定している。

 飛騨牛の認定要件のうち肉質については、日本食肉格付協会(本部・東京)のランク付けで最上級の5等級〜標準の3等級とされている。

 証言を受け、記者が13、14の両日、店頭販売の丸明養老店で複数の商品を購入し、このうちパック詰めの精肉「飛騨牛赤身焼肉用」(100グラム=350円)に張られたラベルの個体識別番号などから肉質等級を調べたところ、飛騨牛ブランドでは販売できない2等級だった。仕入れ先は県畜産公社(岐阜市)と飛騨食肉センター(同県高山市)で、本来なら「岐阜県産」「飛騨和牛」などとしか表示できない。

 入手した内部資料によると、県畜産公社から仕入れた牛肉は、本社近くの同社加工工場から養老店へ運ばれた時には「岐阜県産和牛」と正しくラベル表示されていた。

 同社幹部の証言では、このパック詰めは1日に50〜60キロは売れる主力商品。従業員が店舗内で肉をトレーに詰めていると、吉田社長は「(飛騨牛以外の牛肉を)混ぜてしまえ」などと指示。逆にいさめられると、「消費者は等級までは調べない」と話したという。「偽装は少なくとも15年前から続いている」と幹部は言う。

 同社は養老店も含め岐阜県に販売店計3店舗のほか、高山市と名古屋・栄などで飛騨牛専門レストラン計4店舗を経営。インターネットで全国に通信販売もしている。民間調査機関などによると、07年の売上高約100億円。東海、北陸地方で系列店を含め100店舗以上を展開する岐阜県の大手スーパーにも牛肉商品を卸している。

 吉田社長が理事を務める県肉連は、岐阜県の官民でつくる飛騨牛銘柄推進協議会の構成団体になっている。取材に対し、吉田社長は「従業員がやっていたとしても、経営者としての責任はとらない」と話している。(保坂知晃、鷹見正之)

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