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15万円のカードで、1日千円まで1年間食べ放題

2007年09月25日

 大学を卒業して半年。学生時代を思い出しながら、高松市幸町の香川大学幸町キャンパスを歩いた。キャンパス内の食堂は、安くておいしくて学生たちの強い味方だ。レジで学生が財布からカードを取り出し、カードリーダーに通して精算していた。そのカードは一体何なのか。

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ミールカードをカードリーダーに通し、食事の精算をする学生

 そのカードは「ミールカード」といい、香川大学では05年度に導入された。価格は15万円だが、カード有効期間中の4月1日から3月31日までの1年間、1日1000円の限度額までなら、何度でも食堂を利用できる。ちなみに07年度の新入生は、4分の1に当たる約500人がミールカードを使っているという。

 カード導入のきっかけは、学生の食生活の乱れにあった。00年に中・四国地方の大学生協が大学生約50人に、1週間の食事を写真に撮ってもらったところ、3食しっかり食べている学生はほとんどおらず、1週間のうち5日はファストフードだったり、お菓子で食事を済ませたりする学生もいたという。

 「このままではいけない」。香川大学生活協同組合フードサービス部の柳原昌憲店長が学生たちの食生活を改善しようと、02年度に「ミールプラン」を導入し、栄養バランスなどを考慮したメニューを提案。ミールプランを支えるシステムとして、ミールカードが作られた。一人暮らしの学生たちが家庭と同じような食事をとることができる食堂を目指し、いまでは豆腐ハンバーグに肉じゃが、炊き込みご飯など70〜80種類のメニューをそろえる。定番メニューのほか、月ごとに「九州、沖縄フェア」などといった現地の食材を使った料理を提供している。

 また、ミールカードに組み込まれたICチップに、メニューやカロリーなどの食事のデータや購入額などが記録され、そのデータは毎月、希望する親のもとに郵送かインターネットで送られる。「子どもの生活がリアルにわかる。しっかり朝起きて、大学でご飯を食べて学んでいると知って安心する」などと親からの反響も大きいという。

 食堂をほぼ毎日利用するという工学部2年の疋田章博君(20)は、岡山県出身で一人暮らし。家で自炊はしていない。「ミールカードがあれば、食費を気にせず食べられるし、偏った食事にもならないし、助かっている」。食堂が休みの日曜日は、食事に困るとちょっと苦笑い。

 「学生からの評判は上々です」と柳原店長。香川大生協では今後、食事メニューなどのほか、体重、皮下脂肪などの個人データも記録し、学生の健康相談に応じてあげられるようにしていきたいという。

 大学の食堂は「安くて量が多い」の時代は終わり、「安くてヘルシーかつ便利」に、変わりつつある。もうすぐ夏休みが終わり、この食堂にもにぎやかさが戻ってくる。

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