食ニュース【奈良】調理くず・残飯 運搬中に処理2007年09月30日 スーパーやホテルから出る調理くずなどを特殊な車両で集め有機肥料(堆肥(たいひ))にする食品リサイクル事業に、橿原市を拠点とする合同会社が取り組んでいる。残飯などを原料とするため栄養価が高く、試験的に野菜や果樹の栽培に使った農家も「肥料効果が高い」と高く評価。同社は「有機栽培した野菜を地元スーパーで売り、『地産地消体制』を作りたい」としている。
合同会社は「循環資源利用健康推進事業LLC」で、昨年6月、県中南部の廃棄物処理業者ら5人が設立した。約2000万円で購入した「車載型処理システム車」で橿原市内の食品スーパーやホテルなどを回り、魚や野菜の調理くず、残飯などを収集し、搭載された装置で水分調整材のもみがらなどと混ぜて肥料の原料にする。これを橿原市内の保管倉庫に運び、40日から60日熟成させると堆肥になる。牛ふんなどと比べてミネラルが豊富なのが特徴だ。 システムは、石川県加賀市と北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)、民間企業などが「産官学」で共同開発。同市では2年前から家庭ごみで実証実験し、成果を上げている。これに大淀町の廃棄物処理業者、西村浩至さん(31)らが注目。システム開発に携わった山本一さん(60)を統括責任者に招いて事業を立ち上げた。 10アールの野菜畑にこの堆肥を使った吉野町の又川栄博さん(66)は「ナスやキュウリ、豆類の生育に効果があった。ナスは味が良くなり、化学肥料はほとんど使わなくなった」と言う。 合同会社では今後、堆肥で作った野菜や果物を生ごみの排出元のスーパーで販売したり、ホテルで調理したりする「食物の地域循環構造」づくりに取り組む。山本さんは「地域農業の再生にもつながるのではないか」と話している。 |