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神戸市公社、ワイン在庫300万本分 ブーム一段落で

2008年11月2日

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写真神戸みのりの公社が初めてオープンした直営店=神戸市中央区、西畑志朗撮影グラフ拡大  

 神戸ワインを独占販売している神戸市の「神戸みのりの公社」が大量の在庫を抱えて苦戦している。90年代後半のワインブームで生産量を増やした後、安価な輸入ワインに押されて300万本分が貯蔵庫に眠っている。市は公社を救おうと20億円を追加出資した。農家には補償金を払って転作してもらう事態になっている。

 同公社は神戸市が96%を出資している財団法人で、同市西区に市がつくった農業公園神戸ワイン城内にある。農業振興が目的で、すべて買い取る約束で周辺農家にブドウ栽培を勧め、84年に「神戸ワイン」を売り出した。98年度には年間最多の110万本が売れた。

 ところが、安価な輸入ワインの登場とワインブームが一段落したことで、99年度に販売量が減少傾向に転じ、赤字に転落。それでも01年度には過去最も多い140万本を製造したが、83万本しか売れなかった。累積赤字は07年度に12億3千万円に達した。

 ブドウの栽培面積は02年度に108ヘクタールに拡大。公社はこらえきれずに03年度、初めてブドウの買い上げ量を前年度の1290トンから830トンに減らした。農家に補償金を払いながら転作を促し、今年3月までで栽培面積を75ヘクタールにまで減らした。さらに08年度中に、約100軒残った栽培農家のうち約30軒にブドウ栽培をあきらめてもらい、40ヘクタールにする。これに伴い、年間製造本数を30万本に減らし、在庫を含めて50万本を売る計画だ。

 神戸市は今年3月、栽培農家への転作補償金を含めて公社に20億円を追加出資し、赤字を帳消しにした。市議会では「地場産業の会社がつぶれても税金を入れないのに、なぜ20億円もかけて救済するのか」と指摘されたが、市は「神戸ワインは農業振興のためで、公共性がある」と押し切った。起死回生を狙う公社は7月、同市中央区の観光施設「北野工房のまち」に初の直売店を開いた。

 栽培農家からは恨み節も聞かれる。公社は転作しなければ補償金を出さないため、農家は慣れない果樹や野菜の栽培で出直すことになる。転作予定の男性は「公社は市幹部が天下って殿様商売をしてきた。全量買い上げの約束だったのに、販売戦略の失敗で生産調整を強いられ、あげくに転作しろという。あまりに無責任で、途方にくれている」と怒っている。(榊原謙)

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