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ちょっとグロテスクだけど…深海魚を食べてみた

2008年8月24日

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写真深海で取れたニセオキカサゴでつくったポルトガル風いため煮=20日午後6時0分、長崎市役所写真操業中の底引き網漁船=東シナ海、「東南アジア漁業開発センター訓練部局」のサヤン・プロジンダさん撮影写真底引き網漁で引き揚げられた深海魚=東シナ海、「東南アジア漁業開発センター訓練部局」のサヤン・プロジンダさん撮影

 かつて隆盛を誇った長崎市の以西底引き網漁業を復活させようと、同市などが7月から、まだ活用されていない東シナ海の海域で漁場調査をした。そこで水揚げされた深海魚を使って料理の試食会も開いた。少しグロテスクな容貌(ようぼう)だが、会場の料理人らに聞いてみた。お味はいかが?

 市役所の食堂に20日、珍しい魚が並んだ。おいしそうなにおいが立ちこめる。ヨロイイタチウオ、ニセオキカサゴ、ギンザメ、ソコホウボウ、アカザエビ……。多くは水深200〜500メートルの大陸棚斜面で取れた。市場には出回っていない魚種ばかり。

 この日は市内のシェフらが、西洋や和食、中華料理で自慢の腕を披露した。ニセオキカサゴとミドリフサアンコウ、アカザエビなどを使ったホテルの吉川慈シェフは「深海魚は味の乗りやすい魚が多かった。底ものは身が軟らかく、使いやすいと思う」とまずまずの評価。

 記者も何品か食べてみた。どれも白身で、味にくせはない。むしろ淡泊。その分、料理の味付けを存分に楽しめた。一夜干しや練り物にはうまみが凝縮され、もし売っていれば買いたくなる味だ。

 これらの魚は五島列島・男女群島南方の東シナ海産。7月21日から約1カ月かけて、どんな魚が取れるかの調査を続けた。同市水産振興課によると水揚げ量は計24トン。

 水深200メートルより深い斜面域は海底の凹凸が激しく、網が引っかかるとして、従来は底引き網には向かないとされてきた。調査した水産総合研究センター西海区水産研究所の秋山敏男所長は「試してみて海底の地形を気にしなくてもよいことがわかった。新しい漁場の開拓という目的は達した」と話す。

 課題は深海で取れた魚をどう売るかだ。長崎漁港の卸売業者、長崎魚市によると水揚げされたアカザエビは8キロ7千〜2万円で売れたが、ミドリフサアンコウは同500〜1千円にしかならなかった。終(しま)いには「すり身の原料に」と、10〜12キロを300〜500円で「投げ売り」したものもあったという。

 取れた魚の多くは実は、これまでも水揚げされていたのだという。長崎魚市の岸川康幸取締役は「消費者になじみが薄いとどうしても安くなる。それに、今回の魚より安くておいしい魚があるので、消費者はそちらに流れてしまう。仲買人や小売業者がどう売っていくのかが、今後の課題だ」と指摘する。

 市水産振興課の藤本晃生課長は「加工方法や料理など、おいしく食べることができれば値段も上がる。まずは付加価値を高めてから、広めていきたい」と話した。(岡田玄)

     ◇

 〈以西底引き網漁業〉 2隻の船で網を引く漁法で、主な漁場は東シナ海の水深200メートルほどの大陸棚。同海域には日中暫定、中間水域が設定され、中国漁船との競合が激しく、漁業資源は急速に減っている。ピーク時の61年に37万トンを超えた漁獲量は、06年には5千トンを切った。65年に全国で780隻、長崎市だけでも300隻以上を数えた底引き漁船も、05年以降は同市内の10隻だけとなった。

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