【宮城】日本酒復権、鍵を握るのは30代女性2007年05月03日 焼酎人気に押されて消費が落ち込む日本酒業界。宮城県酒造組合では「今までPRが手薄だった」(同組合)という30代有職女性らをターゲットに、新しい日本酒ファンづくりに精を出す。 4月下旬、浦霞を造る塩釜市の「佐浦」に、30代女性を中心に20代から50代の会社員や主婦約20人が集まった。5回目を迎えた同組合主催の「日本酒を楽しむ女性セミナー」の第1回講座だ。 「これが発酵の進む仕込みおけです」。酒独特の甘いにおいが漂う中、同社の横山直行さんらの説明に、参加者らはぴちぴちと小さな気泡のわき出るおけをのぞき込んだ。普段は入ることの出来ない酒蔵の奥まで足を踏み入れることができ、学んだ後には「こんな親切に説明してくれるなんて」との感想が参加者から漏れた。 勉強後は、フランス料理と宮城の地酒を楽しむ懇親会。他の酒類に比べて様々な食事と合う日本酒の特性をアピールするのが狙いだという。 焼酎ブームなどのあおりを受け、県内の日本酒出荷量は75年以降毎年減少を続け、03年には1万キロリットルの大台を切った。起死回生の一手が女性の取り込みだ。 セミナー参加者に日本酒の面白さを伝え、県内の自慢の酒を味わってもらうことで女性ファンを作ろうともくろむ。女性は流行を生み出すとともに、家の財布を握る重要な立場だとの読みからだ。セミナー参加者の中には、友達に日本酒を勧めたり、日本酒の立食パーティーに友達を連れて来たりする人も多かったといい、女性ならではのネットワークも魅力の一つだという。 とはいえ、女性頼みというわけにもいかない。 一部の酒造では、酒かすを原料にした焼酎の製造、販売を始めた。佐浦も今年から始めた。横山さんは「焼酎からその酒造に興味を持って日本酒を飲むようになってくれれば」と期待する。 一方で、同組合によると、昨年8月から今年1月にかけ、県内の酒造の出荷量は関東地方を中心に前年度を超えた。景気が回復すると比較的安価な焼酎から比較的高価な日本酒へと流れる傾向があるといい、景気回復による日本酒需要の回復にも期待は募る。 日本酒の復権なるか。同組合の早坂義明さんは、やはり「一番期待を寄せているのは女性」と言う。財布も鍵も、握っているのは女性ということのようだ。 この記事の関連情報 |