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【青森】すし店競合 個人店に影

2007年05月06日

 安価・高級感・・・県内外回転ずし出店ラッシュ

写真休日の昼、客でにぎわう大型の回転ずし店。客は高齢の夫婦から家族連れまで様々だ=青森市南佃2丁目の「函太郎青森佃店」で

 「函太郎」客30分待ちの盛況

 海の幸に恵まれた県内のすし屋が変革の波にさらされている。個人経営の店では経営に苦しむところが増えている一方、高級感を売りにした大型の回転ずしチェーン店が相次いで出店するためだ。4月にオープンした県外資本の回転ずし店には客が殺到。個人の店の存続を危ぶむ声も出ている。

 「いらっしゃいませ」。ゴールデンウイーク初日の4月28日昼、青森市南佃2丁目の回転ずし「函太郎青森佃店」では、すし職人の大きな声がひっきりなしに響いていた。約80席ある店内は客であふれ、30分待ちという客も。60代の男性客は「回転ずしのイメージが変わった。おいしさは、個人のすし屋とほとんど変わらない」と話した。

■青森は魅力的

 函太郎は、北海道函館市を拠点にするチェーン店。今年1月、県内に初進出した。店を経営する「吉仙」の山中秀男専務は「進出先に札幌も考えたが、回転ずしの競合が少ない青森は魅力的だった」と話す。

 ネタは函館と青森の両方の市場から仕入れる。値段は1皿125円〜525円で、客単価は1700〜1800円だ。中村淳一店長は「お客さんと対面で握る、すし屋にはかなわないが、そのレベルに近づけるよう努力している」と話す。

 客数は平日で1日300〜400人。休日は、その倍という。中村店長は「いい魚に食べ慣れている青森の人の口に合うか心配だったが、少し安心した」と胸をなで下ろす。函太郎は勢いをかって6月には、弘前市にも出店する。

 今年、県内は回転ずしの出店ラッシュだ。青森市には今月21日、地元資本の「回転鮨処あすか」1号店が開店する。全国チェーンの「かっぱ寿司」も県内初となる独立店を年内に弘前市に出店するほか、青森市にも進出を予定する。

 「あすか」は、市内で結婚式場を運営するアラスカが出す。同社レストラン部の久保田栄二マネージャーは「県内は回転ずし市場が弱く、チャンス。安価でいいものを提供する新しい回転ずし店にしたい」と意気込む。

 値段は1皿105円〜700円。席数は約80で、一品料理にも力を入れる。1号店の結果次第で、店舗の拡大も検討したいという。

■存続危ぶむ声

 一方、回転ずしの相次ぐ出店に危機感を募らせているのが、個人経営のすし屋だ。県すし業生活衛生同業組合の西村力理事長は「函太郎は決して安いとは思わないが、お客さんの気持ちをつかむ店作りをしている。存続が危ぶまれる店も増えるのでは」と懸念する。

 01年に202あった組合加盟店は今年、135まで減った。脱退理由の多くは経営難で、月3000円前後の組合費を切りつめたいという店もあったという。

 青森市郊外の住宅地にある創業20年以上の夫婦経営のすし店は、常連客の高齢化や不景気で客足が遠のき、この3年で一気に経営が悪化した。ピーク時は1日30人以上の客が来たが、今は1〜2組という日も少なくない。

 もうけを切りつめ、できるだけ低価格で出しているが、経営者は「個人のすし屋は敷居が高い」と敬遠されるという。40代の妻は「すしは生もので、客が来なければ無駄になるものが多い。回転ずしに流れる客も多く、明日は店がどうなるか分からない」と話す。

■将来は店次第

 個人経営のすし屋では、店主の高齢化や後継者不足といった問題も抱える。青森市で有名店「一八寿し」を経営する組合の西村理事長は「状況は厳しいが、青森のすし屋は、回転ずしとあまり変わらない価格で、いいにぎりが出せる。店の将来は、それぞれの店次第」と話す。

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