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【島根】どんちっちあじ ブランド味

2007年06月07日

☆東京・築地で評価あがる/リポートしまね☆

写真築地市場に並んだ「どんちっちあじ」
写真箱に張られたどんちっちを証明するシール。とった船や代表者の名前が書かれている=いずれも5月24日、東京都中央区築地で

 浜田漁港に水揚げされるマアジ、「どんちっちあじ」が旬を迎えている。水産関係者が、ブランド化に取り組んで6年目。厳格な基準をクリアしたブランド魚として、各地の市場の評価は上がっている。(西江拓矢)

★☆脂質量10%以上の表示☆★

 5月24日、午前6時過ぎ。浜田市水産物ブランド化戦略会議の専門部会長、渡辺祐二さん(51)と、東京・築地市場を歩いた。

 この日は、各港でアジが大漁。長崎産、三重産、鳥取産などと並び、浜田から運ばれてきた「どんちっちあじ」が、発泡スチロールの箱に入って山積みされていた。

 「浜田だけ値段が下がらないよ」。卸会社の社員が、渡辺さんを見つけて、あわただしく声をかけた。大量入荷で、全体的に値崩れするなか、どんちっちは、5キロで2000円前後と、築地にも近い千葉県・銚子港に揚がったアジの2〜3倍の値段がついた。

 卸会社の社員は「関東はトロでも何でも、脂志向が強い。どんちっちには、ちゃんと(脂質含有量)10%以上の表示があるので、はずれがなくて安心だ」。ほかの卸会社の担当者に聞いても、「どんちっちの物はいい」と、口をそろえた。

 築地を経て、関東のスーパーやすし屋などに並ぶという。

   ■   ■  

 「どんちっちあじ」には、厳格な基準が定められている。まず、浜田の巻き網漁船(3船団)が浜田沖でとった魚に限る。期間は最も脂がのる4月から8月で、水揚げされて、専用の機器を使って脂質含有量を検査。サイズが50グラム以上で、平均が10%を超えたものだけが、どんちっちとなり、東京を始め、大阪、名古屋、静岡、広島などへ運ばれていく。

 「関アジ」(大分)をはじめ、「瀬付きあじ」(山口)、「旬(とき)あじ」(長崎)、「天領アジ」(熊本)などブランド名のついたアジは多い。そのなかで、どんちっちは脂質含有量の数値化という、ほかにはない特徴でライバルに立ち向かっている。

 「大成功じゃないの。スーパーでも、浜田を前面に出して売っているよ」。築地で海産物問屋を営み、島根の魚のブランド化に協力している伊藤淳一さんも太鼓判を押す。イメージアップの効果で、浜田漁港でのアジの平均魚価も上昇傾向にある。

   ■   ■   

 どんちっちのブランド力は高まっているが一方で課題がないわけではない。その一つが安定供給だ。

 浜田漁港には、地元巻き網船以外にも県外の大型船がアジを水揚げする。地元船と同じ漁場でとれば、10%を超えることも多い。このほか、地元の定置網などでもアジはとれる。

 同じ浜田から築地へ送られても、一方はどんちっち、片や単なる浜田産。築地の卸会社の担当者からも「供給のバランスがよくない。お客さんにも『何が違うのか』と言われる」との声が聞かれた。

 「厳格な基準を守ったからこそブランドとして受け入れられた。しかし、安定供給を求める買い手の側の気持ちもよくわかる。一つ山を越えてもまた山です」と渡辺さんは話した。

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