現在位置:asahi.com>食と料理>ニュース> 記事

 

食ニュース記事一覧

食ニュース

【多摩】障害者自立支援、たい焼き店好調 調布

2007年12月20日

 調布市にこの秋、障害者4人が働くたい焼き店が登場した。「福祉と経営の融合」を目指す福祉コンサルタント会社が、障害者の雇用を増やそうと開いた1号店だ。「オープン景気」も手伝って売り上げは好調。障害者らは生き生きと仕事に励み、「月給が倍になった」などと喜んでいる。

写真

活気があふれるたい焼き店内。スタッフ同士がきずなを深めながら店を盛り上げている=調布市下石原3丁目で

 この店は「夢ある街のたいやき屋さん西調布店」(下石原3丁目)。9月末、西調布駅にほど近い品川通り沿いにお目見えした。首都圏を中心にたい焼き店などを展開する企業のフランチャイズ店だ。

 開店したのは、福祉施設に経営コンサルティングをする「福祉ベンチャーパートナーズ」(千代田区)。社長の大塚由紀子さん(44)が03年、障害者の経済的な自立支援を目的に設立した。

 授産施設や福祉作業所で働く障害者の工賃は低い。月給が1万円程度の人は少なくないといわれる。「これでは自立した暮らしはできない」。働く障害者の収入アップを目指し、福祉の現場に「ビジネス」を持ち込んで実績を上げている。

 調布市内の授産施設では、大塚さんらのアドバイスで多様な作業を手作りパンの製造・出張販売に一本化。3年で月給を1万円から5万円に増やす目標を達成した。

 たい焼き店は、障害者の雇用拡大を目指すパートナーズの経営ビジョンの実践例として取り組んだ。スタッフは20〜40代の障害者4人を含めて15人。常時4、5人で運営するうち、障害者は1、2人が勤務する。

 「いらっしゃいませ」。30平方メートルに満たない店内に、赤いTシャツ姿のスタッフの元気な声が飛び交う。店長の川合澄枝さん(40)は「お客さんの半数が常連です」と話しつつ、「ほかほかのたい焼きを通して、障害者を含めたスタッフと地域の人たちが自然に触れ合っている」と笑顔を見せる。

 「障害者が働く店」の表示はない。ほとんど宣伝もしていないが、週末は800〜1000個近く売れる日も。月の売り上げは、200万円の目標の1. 5倍以上と好調だ。「障害者がやっていることを前面に出して甘えたらだめだと思った」と大塚さんは強調する。

 焼き方を担当する男性(24)は、世田谷区の授産施設にいた時に比べて月給が倍になった。「スタッフみんなに活気があるので、自分も元気をもらって頑張っている」。障害がある別な男性(40)は「生地作りが楽しい」とほほえむ。

 パートナーズは13年までに障害者50人の雇用実現を掲げている。来年にも多摩地区に2店目のたい焼き店を出す予定だ。

 人気のつぶあん(120円)など3種類。問い合わせは同店(042・439・6136)へ。

このページのトップに戻る