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【岩手】「盛農パン」人気、ヤマブドウ天然酵母使う

2008年01月13日

 イチゴの天然酵母パンに無添加あんパン、玄米食パン――。県立盛岡農業高校(滝沢村)の生徒が作る「盛農(もりのう)パン」が、人気を呼んでいる。試行錯誤を重ねてできたヤマブドウの天然酵母パンは、昨年10月の日本学校農業クラブ全国大会で、農林水産大臣賞に輝いた。商品化されたこのパンに続けと、後輩は新たなパン開発に向け、研究を続けている。

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冬休みも学校に集まって、パンの研究をする生徒たち=滝沢村滝沢の県立盛岡農業高校で

 「これ、おれが作ったパンだ」。焼き上がったばかりの米粉クロワッサンを見て、男子生徒は声をあげた。食品科学科パン研究班の2年生8人は、冬休みも学校に集まって研究に取り組む。香ばしいにおいの漂う教室には、パン製造のデータが詰まったパソコン。「プロジェクト記録簿」に、製造工程などを書き込む生徒もいる。

 「やみくもにではなく、裏付けのあるデータに基づいたパン作りを」と、同科の村上利行教諭。農業改良普及センターの職員や地元のパン屋、産直に出品する女性らが、生徒のパン作りの見学に訪れる。

 地産地消や食物アレルギーなどをテーマに、様々なパンを作ってきた。昨年1月、2年生の男子生徒が作ったイチゴの天然酵母パンが全国高校生パンコンテストで優勝。今の3年生9人は、イースト菌の代わりに、ヤマブドウに含まれる天然酵母でパン生地を発酵させるパンに取り組んだ。

 06年12月に八幡平市のヤマブドウ生産者から依頼され、製造に取りかかった。天然酵母、県産小麦「ゆきちから」、野田村の塩、龍泉洞の水と県産品にこだわり、卵や油脂、砂糖は使わない。

 外国産小麦と比べて、県産小麦は吸水性が低く、パンがふくらまない。当初は失敗続きで、ゴボウのようなパンもできたという。熟成方法や生地をこねる時間など工夫に工夫を重ね、半年かけて、表面はカリッ、中はふんわりした天然酵母パンが完成した。

 自然な甘酸っぱさが特徴で、フランスパンだが決して硬くない。村上教諭は「ヤマブドウの酵母は発酵力が高く、なぜ今まで使われなかったのか不思議」と言う。

 力作は商品化され、昨秋から葛巻町のくずまき高原牧場で、450グラム500円で販売。週3日(火、木、日曜)限定で、翌日の昼までには売り切れるほどの人気だ。

 地元での販売や生産過剰のヤマブドウジュースを使った菓子パン作りなど、研究班12代目の2年生のもとには要望や依頼が絶えない。パン屋の元経営者で、生徒らに技術指導する男性も「プロと同じぐらい熱心で、いいパンを焼く。子供らは既成概念がなくアイデアが豊富」と評価する。

 2年生は規格外米を有効活用しようと、米粉パンに挑戦している。2月の全国高校生パンコンテストに、米粉の食パンで挑む杉屋敷力さん(17)は「もちろん優勝を狙います。一番食べられる食パンに米粉を使い、米の消費拡大にもつなげたい」と意気込んでいる。

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