食ニュース【岩手】気仙産「かもめの玉子」へ試食会2008年02月03日 土産にも人気の銘菓「かもめの玉子」の主原料である白インゲン豆を地元・気仙産に――。食品の安全・安心への関心が強まる中、安全性に目配りしやすい地元産の豆を使おうと、「かもめの玉子」を製造している「さいとう製菓」(斉藤俊明社長、大船渡市)と農業参入をはかる建設業者などが研究会をつくり、「地元産材料」への切り替えに取り組んでいる。味の改善など商品化に一定のメドがつき、08年度は栽培面積を増やすなどして、取り組みを本格化させる。
同社で「かもめの玉子」など和菓子のあんに使っている豆は北海道・十勝産の「大手亡(おおてぼう)」という品種の白インゲン。同社では食品の安全性確保とともに、「地元産の材料使用」がセールスポイントにもなることから、気仙産の豆に切り替えられないか、探ってきた。 県大船渡地方振興局がコーディネート役になり、昨年、県のモデル事業として異業種研究会が発足。大船渡市日頃市町の建設会社佐々木組(佐藤政夫社長)が住田町の種山高原に50アール、陸前高田市小友町の農家も50アールで、北海道産と同じ品種の大手亡を栽培した。 味を比較するため北海道・十勝、種山、小友の3産地の豆を使って、それぞれ3種類、計9種類の和菓子を試作。先月31日、大船渡市で試食会を開いた。 試食会では、地元産の豆で作った菓子は、十勝産を使った菓子にそれほどひけはとらないが、豆独特の風味、香りがやや弱いことがわかった。十勝地方の黒土との違いが原因らしく、土壌改良の改善点が見えてきたという。 また、あんをそのまま使う生菓子では風味の差に気づくが、卵黄やミルクを加える焼き菓子ならカバーできることも確認できた。一方で、近年は「あっさり」「さっぱり」が好まれる傾向があることから、十勝産に比べて味が控えめな「弱点」を長所にできる可能性もある。 さいとう製菓では、可能な限り気仙産の豆に切り替えていきたい意向で、斉藤賢治専務は「いいものができる見込みは立った。農業法人をつくって大きくやるなど、方法はある」と期待する。 今回の取り組みは、地元産の原料を求める食品加工業者と、販売ルートと所得を安定させたい農家、農業参入で労働力の有効活用や新たな活路を開きたい建設会社などの思いが一致した。 種山高原の農地は、遊休地になって荒れていた元県肉牛生産公社の牧場跡地で、県にとっても、地元の農業振興に加え、元公社の遊休農地の有効利用につながるメリットもある。 建設会社では、地元の作業員が草取りから農機メーカーと連携した収穫機械の実証試験まで、さまざまな農作業に取り組んだ。08年度は12倍の6ヘクタールに栽培面積を拡大する考えで、さいとう製菓が使う年間約250トンの豆の1割程度をまかなう豆を生産する計画だ。 同振興局は「知名度のある食品加工会社と組むことで、農家の側にとっても、生産販売への意欲が高まると思う。将来は、三陸の素材にこだわった製品で沿岸の産業振興につなげたい」と期待をふくらませている。 この記事の関連情報 |