食ニュース【岩手】ビール用新品種「小春二条」2008年03月30日 寒冷な積雪地でも安定して栽培できるビール用大麦の新品種「小春二条」を、独立行政法人・東北農業研究センター(盛岡市)が開発した。東北や北陸地方での栽培に適しており、これまで輸入麦芽を使うことが多かった地ビールの生産向けに、栽培の普及が期待される。
小春二条は九州などで生産される「ニシノゴールド」と東北などの寒冷地で栽培される「ミユキオオムギ」を交配させた種に、ビール醸造に優れた九州の「ミハルゴールド」を掛け合わせた。 秋まきで冬を越し、初夏に収穫されるが、同センターによると、耐寒性・耐雪性に優れ、ビール醸造に必要な麦芽エキスなどが多く含まれているという。96年から開発に取り組み、10年余りかけて完成させた。 東北などで地ビールを製造する小規模な酒造会社ではこれまで、供給が安定しており国産に比べて価格が安い輸入麦芽や、寒さや雪に強い地元産の「ミノリムギ」を使用するところが多かったという。 だが、「ミノリムギ」はビールの品質の目安となる糖類やアミノ酸の含有量とでんぷん分解能力などが低いため、同センターが寒冷地に適したビール用大麦の新品種開発に取り組んだ。 小春二条は根雪期間が年間70〜80日以下の地域での栽培に適しているという。収量は10アールあたり500キロ程度と、「ミノリムギ」より17%ほど少ないが、ビール向きの成分に仕上がった。 この新品種により、東北でも地元産の原料で文字どおりの地ビールがつくれることになり、同センターや地ビール業界では「地産地消」の拡大にも期待する。 最近は世界的な穀物高騰で輸入麦芽の価格も上昇しており、小春二条の生産と需要の拡大に追い風になりそうだ。 開発を担当した同センターの谷口義則さんは「まずはイベントなどで小春二条でつくったビールを販売しながらPRし、小春二条の栽培拡大に努めていきたい」と話す。 試験的に小春二条でビールを醸造した酒造会社「世嬉の一酒造」(一関市)の佐藤航・醸造士は「他の地ビール会社とも協力して、小春二条を使ったさまざまな商品を展開していきたい」と期待している。 この記事の関連情報 |