食ニュース【茨城】農業に科学の指標 広がるJGAP2008年04月07日 安全や環境に配慮する農業者であることを示す認証制度「J(ジェイ)GAP(ギャップ)」を取得する動きが県内でも広がってきた。「食」に対する不信や不安が高まるなか、客観的に安全が保証される制度は、農家にとって今後大きな武器になるかもしれない。
つくば市柳橋の農産物直売所「みずほの村市場(いちば)」は、週末になると県内外から来た車でいっぱいになる。市場は3月中旬、団体単位でJGAPの認証を受けた。同時に、市場に加盟する38の個々の農家も認証を受けたことになった。 「農家の自立、農産物価格の適正化」を理念に掲げ、品質を最優先に運営してきた市場があえて認証取得の準備を始めたのは06年のことだ。一部の農家は「今まで取り組んできた安全・安心は間違いだったのか」と反発したが、担当の高橋広樹さんは、第三者が客観的に安全性を評価する重要性を説いて回った。 例えば、青果物でJGAPの認証を受けるためには「農薬の保管場所には鍵がかかっているか」「よい土作りの努力をしているか」といった129項目の管理点をクリアしなければならない。最初の巡回では、農家は平均で基準の7割程度しか満たしていなかったため、改善指導をさらに重ねた。 高橋さんは「お客さんは安全性も求めてやってくる。その期待に応えるためにも取得に踏み切った」と話す。 ◇ 県内で先駆けてJGAP取得に取り組んだのが「いばらき農産物流通研究会」だ。会は、土浦市の農業資材会社「アイアグリ」が、顧客に「もうかる農業」のためのグループづくりを呼びかけてできた。06年秋に認証を受け、研究会として正式に発足した。 会には46の農家が加盟し、41の農家が認証を受けて作物を出荷している。同市や行方、鉾田などに散在する農家を集荷トラックが回り、農業生産法人「ユニオンファーム」(小美玉市)の倉庫に一度集めてから出荷する。野菜はニラや小松菜、ニンジンなど10品目以上になる。 会の野菜は、首都圏に展開するスーパー「いなげや」や「マミーマート」などに出荷されている。08年度には約1億円の売り上げを見込む。いなげやの担当者はJGAPについて「安心・安全の担保にはなる」と話している。(木村尚貴、田内康介) ◇ キーワード 〈GAP〉 Good Agricultural Practice(よい農業の実践)の略で、適正農業規範と訳される。環境への配慮や農薬の適正利用、品質の向上など生産者が守るべき管理基準が定められている。欧州が先駆的。 行政や個別の事業者による認証制度があり、農家や食品業者などでつくるNPO法人「日本GAP協会」では、指標数が多く科学的な評価体制が整っている「JGAP」の取得を薦めている。 この記事の関連情報 |