食ニュース【群馬】「愛娘」は人気者2008年05月19日 「愛娘(まなむすめ)」を売り込め――。全国有数の小玉スイカの産地・太田市藪塚地区で、新たな品種が人気を集めている。今年は、生産量で主力の「紅こだま」を上回る勢いだ。愛娘は、果肉や果皮が硬く傷みにくいため、「扱いやすい」と店側も歓迎する。新たな販路を開拓しようと、アジアの富裕層に向けた輸出も検討している。
連休さなかの5月4日、26棟のビニールハウスで小玉スイカを栽培する瀬戸裕之さん(49)の畑に、おなじみの黄色いバスが乗り付けた。東京から来た「はとバスツアー」だ。全国都市緑化ぐんまフェアの太田会場などを巡ったあと、小玉スイカ食べ放題にやってきた。 旬を迎えた愛娘を思う存分味わったツアー客らは「果肉がしっかりして歯触りがいい」と満足そうだった。 ツアーは、地域の活性化を目指す市民グループが誘致した。グループのメンバーでもある瀬戸さんは「黄色いバスが来ただけでもすごいPRになる。来年以降も続けたい」と期待を寄せる。 藪塚地区で「紅こだま」の生産が始まったのは60年代後半。最盛期に56万ケース(1ケース4〜6個)を誇ったが、近年は後継者難と手間を嫌ってホウレンソウに乗り換える農家が増え、今シーズン(3〜7月)は約30万ケースに落ち込みそうだ。一時は200戸近くあった生産農家も、いまでは90戸ほどに減った。そこで、2〜3年前に愛娘に注目した。 「果肉や皮が丈夫で日持ちがする」と市場の評判が良く、転換が一気に進んだ。瀬戸さんの畑でも3年前まではほとんどが「紅こだま」だったが、今年は4分の3を愛娘が占める。 JA藪塚本町は4月下旬、シンガポールであったアジア最大級の国際食品見本市「フード&ホテルアジア2008」に12玉を出品した。 05年には「紅こだま」を台湾へ輸出したが、あえなく断念した経緯がある。輸送中に皮が割れてしまい、売り物にならなかったからだ。 今回の見本市では、輸送中の破損は一つもなかった。小暮利明・組合長は「品質には絶対の自信がある。高級デザートとしての需要は高い」と話す。将来は、愛娘の比率を9割まで増やす方針だ。 日本貿易振興機構(ジェトロ)農水産課も「日本産は安全でおいしいとの評価が定着し、リンゴやナシ、カキなどを中心にアジア向けへの輸出が年々増え続けている。シンガポールや中国などは富裕層が多く、重要なマーケットになる」と太鼓判を押す。 食と料理
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