真剣な表情で接客する調理学校生=宮崎市大塚町地蔵田
宮崎市の調理専門学校の学生らが一般向けに開いているレストランが盛況だ。将来、料理人を目指すシェフの卵たちが、一品一品丁寧につくるフレンチやイタリアンのフルコースが千円の「格安」で食べられることもあって、早くも年内の予約は満杯。「こんなに人気が出るなんて」と学生自身も驚きつつ、一人でも多くの客を喜ばせようと一層修業に力が入る。
ビワのフレッシュサラダ▽ポテトのスープ▽サバとホウレンソウのパイ皮包み焼き プロバンス風または牛バラ肉の赤ワイン煮込み キノコのクリーム煮添え▽ラム酒漬けフルーツ入りケーキ オレンジの香り▽エスプレッソ
高級レストランにも引けを取らないようなメニューの数々が並べられるのは、宮崎市大塚町地蔵田の宮崎調理製菓専門学校の一角。毎週金曜正午に開店する「リストランテ ヴィバーチェ」だ。
同校では基礎的な技術を学んだ調理師専攻科の2年生は調理、接客、お客の3班に分かれての実習が必修。「より実践的な実習を」と、昨年の校舎増築を機にレストランを設けて一般客を迎えるようになった。現在の2年生は20人。今年も6月から、1日40人限定で「営業」を始めた。
常盤真知子校長(60)は「赤字覚悟とはいえ、代金を頂くことで単なる実習とは違う意識が出てくる。お客様との交流も学生にとって刺激になる」と意義を話す。
開店30分ほど前から続々と予約客が集まり、待合室までおいしそうなにおいが漂う。大きな窓から光が降り注ぐ店内は、きらめくグラスと真っ白なテーブルクロスとで華やかな雰囲気だ。
接客担当の大野廣大さん(19)は「スープにどんな材料を使っているかなど細かく質問されることもあり、素材や調理方法など下調べが欠かせない」と真剣な表情。客とじかに接する機会は、交わす会話の一言一言がレベルアップのヒントになるという。
調理をしていた杉尾瞳さん(19)は「オープンキッチンなので客席から見られて緊張するが、ここでしっかり基礎を身につけ、いつかヨーロッパへ留学したい」と目を輝かせた。
初めて来店した国富町本庄、英会話教室経営のトーマス・ウィルソンさん(51)、純子さん(54)夫婦は「ポテトのスープがとてもおいしく、メーン料理のソースもすばらしかった。緊張しつつも一生懸命な接客がほほ笑ましい」と絶賛。「ただ1点、お皿が少し冷めていたのが残念かな」と注文も。食後、料理や接客などについて来店客に書いてもらうアンケートも、学生には大いに参考になっている。
講師は北郷フェニックスリゾートの統括料理長を務める深水政信さん(46)。「学生たちは毎週反省会をして改善点を話し合う。苦手なレシピは何十回も練習し、数カ月で驚くほど上達する。卒業間際には、味も見た目も今とはレベルが違いますよ」と期待のまなざしを向けていた。
金曜日限定で11月末まで営業の予定だが、予約はすべて埋まっているという。来年の予約は12月から受け付ける予定。問い合わせは同校事務局(0985・51・1911)まで。(松井望美)
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