現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 食と料理
  4. ニュース
  5. 記事

途上国援助変える? 新栄養食「プランピー・ナッツ」

2008年10月2日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真袋入りのプランピー・ナッツ写真ルーアン郊外のプランピー・ナッツ製造工場=いずれも国末写す

 アフリカなどで栄養失調に苦しむ人々への援助現場で、水を必要としない「そのまま食べられる栄養食品」(RUTF)が急速に普及している。その代表は、フランスの地方小企業が開発した「プランピー・ナッツ」。国連機関や医療NGOが相次いで導入し、途上国医療や援助のあり方を変える勢いだ。

 ルーアンの中心部から車で約15分、ルボワリカール村に援助物資の開発を専門とするニュートリゼット社の工場がある。甘い香りが満ちる中、ピーナツと砂糖と植物油を機械がペースト状に変え、袋に詰める。1袋92グラムで500キロカロリー。「調理の必要がなく栄養価が高いものを追求した」と、アドリーヌ・レスカンヌ副社長は説明した。

 副社長の父、ミシェル・レスカンヌ社長と世界保健機関(WHO)の科学者アンドレ・ブリアン氏が朝食のパンに塗るペーストの「ヌテラ」をヒントに開発。97年に特許を取り、商品化した。

 これまでの栄養失調児への援助の主流は粉ミルク。しかし、途上国では不衛生な水で溶いて病気になる例が少なくなかった。プランピー・ナッツは袋を破ってなめるだけ。密閉包装で暑さに強く、バクテリアも繁殖しにくい。

 03年に国連児童基金(ユニセフ)が導入し、6カ国で約100トンを配布した。07年に42カ国計35万人、5千トンに増え、08年は1万トンに達する見通しだ。エチオピアやスーダンなどアフリカが中心だが、インドやミャンマー(ビルマ)などアジアにも広がる。

 ユニセフより早く導入したNGO「国境なき医師団」のステファン・ドワイヨン氏によると、途上国医療は、水が確保できる場所に診療所を設け、住民に粉ミルクなどを配るのが一般的だ。しかし、携帯が容易なRUTFの登場で医師自身が各地を巡回する態勢に移りつつあり、「援助医療のシステムが根本的に変わろうとしている」という。

 1袋約0.3ユーロ(約50円)とやや高いのが課題。「競争相手が出てきて価格が下がればもっと普及する」とユニセフは期待する。実際に各国で開発が始まろうとしている。

 WHOなどによると、世界で栄養失調に苦しむ子どもは約1億7800万人。うち約2千万人が深刻な状況だ。年に5歳以下の350万人が栄養不足で命を落としている。(ルーアン〈仏北部〉=国末憲人)

     ◇

 〈そのまま食べられる栄養食品(RUTF)〉 栄養価が高く、調理や調合の必要がなくて長期保存できるように水分が少ないこと、持ち運びが便利なことなどを特徴とする援助用食品。商業化されたものは、プランピー・ナッツのほか、ビスケット状の「BP100」がある。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

フード・ドリンク

写真

お好み焼き、たこ焼き…粉モノが好き!(09/02)

「粉もの+ソース」の組み合わせが好きでたまらない! という人必見の一品をご紹介。広島風お好み焼きやたこ焼きなど、小麦粉独特の風味とソースの香ばしさが食欲をそそる庶民派料理を、定番から変わり種までお取り寄せで楽しもう!

写真

残暑を乗り切るスタミナ料理(08/26)

連日の暑さでたまった疲れや、クーラーで冷え切った体に! ニンニクラーメンやモツ鉄板、夏野菜インドカレーなど、元気が出そうなメニューをご紹介。スタミナ料理でパワーを補給して、残暑を乗り切ろう。