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【山口】「食害」エイがおいしい「しょうゆ」に

2008年10月3日

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写真ナルトビエイを使って開発したしょうゆ。左はしぼりかす=山口市の県庁

 アサリやカキといった二枚貝を食い荒らすナルトビエイを使ったしょうゆができた。特産の「小野田あさり」の食害に悩む山陽小野田市の依頼を受けた県味噌(みそ)醤油(しょうゆ)協同組合が開発した。ナルトビエイからのしょうゆづくりは全国的にも珍しい試みで、同組合は製造方法と完成したしょうゆについて特許を申請した。

 ◆うまみたっぷり 特許申請

 ナルトビエイは海水温の高い海に生息するエイの一種。近年、毎年5月ごろから山陽小野田市の小野田港沖に姿を現すようになった。食害が目立ち、小野田あさりは数年前から漁獲量が減少、廃業する漁民もでた。このため同市はナルトビエイの駆除に取り組んでいる。今回のしょうゆ開発について、同市農林水産課の多田敏明さんは「食料としての需要をつくることで、漁業を活性化するねらいもある」と説明する。

 ナルトビエイは常温では陸にあげて2時間ほどで強烈なアンモニア臭を発するようになる。だが急速冷凍することでにおいを防ぐことができる。同市はこれまでにも、竜田揚げやふりかけといった食品を開発してきた。

 県味噌醤油協同組合でしょうゆづくりに取り組んだのは常務理事柏木享さん(63)。柏木さんはこれまでにトラフグ魚醤(ぎょしょう)づくりや県内の酒造業者の指導を手がけたことのある発酵食品のエキスパートだ。

 エイが発酵しやすいように軟骨のように硬いエイの身を細かく刻み、しょうゆこうじと塩、酵母を加えて25度で100日間発酵させ、しぼって殺菌すると琥珀(こはく)色のしょうゆが完成する。

 柏木さんは、たんぱく質分解酵素の働きが強いこうじを作り、的確な温度調節に努めた。できあがったしょうゆは一般のしょうゆに比べ、うまみ成分のグルタミン酸やアスパラギン酸などが多く含まれていた。魚の生臭さはいっさいなく、すっきりとしたうまみが口に広がる。「しょうゆをしぼった搾りかすも、味噌のような風味でコラーゲンもたっぷり含まれているはず。利用価値が高いのでは」と柏木さんは自信を見せる。

 今はまだ市販されていないが、今後、組合の加盟社で希望する企業があれば商品化されるという。

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