
かつて食卓に並んだちりめんじゃこには、イカやタコなどが交じっていた。見た目が悪いと、最近は取り除かれるが、子どもたちの間では数年前から、選別前のちりめんを生物の研究材料にして、虫眼鏡やピンセットで調べるのが人気だ。カニの幼生など姿が変わったものも多いので「チリメンモンスター」、略して「チリモン」。そんなブームの前から、徳島市内には、食べておいしいチリモンを売ってきた海産物店がある。(三浦宏)
同市幸町3丁目の中洲総合水産市場にある沢口商店。店を経営する海産物問屋「岩瀬海産」社長の津島喜美代さん(53)は、簡単便利な化学調味料ではなく、煮干しでひくだしなど、自然の海の味による食育にこだわってきた。
7年前、徳島市中央卸売市場で、タコの赤ちゃんが交じった小松島市の和田島産ちりめんを見つけた。店に置いたところ、親は「懐かしい」、子どもは「かわいい」と人気を集めた。
漁師の中には、漁獲量が少ないのにイカの赤ちゃんを取り除くのは面倒くさいと、一緒に乾燥させて出荷する人がいる。量が確保できないので、スーパーは見向きもしない。津島さんは「いかちりめん(いかちり)」として、あれば仕入れることにした。
交じりもの入りということで、百グラム350円程度と通常のちりめんより50円ほど安い。「でも、小さなスルメが入っているのと同じで、味に深みがある。チャーハンに入れてもおいしい」。春先には小さなアミエビが入ったちりめんが出ることもある。
大阪府岸和田市のきしわだ自然資料館は4年前、夏休みの子ども向けイベントとしてチリモン探しを企画した。ヒトデ、ウニ、クラゲ、タツノオトシゴなど50種類以上見つかる。以来、各地の出前教室も大盛況。選別前のちりめんを提供している和歌山県湯浅町の海産物店「かね上(じょう)」(電話0120・677・567・ホームページhttp://www.kanejo.com/tirimon/tirimon.htm)には、全国から注文が相次いでいる。
チリモン人気を知った津島さんは、いかちりに「モンスターちりめん」の札も置くようになった。「ふりかけ用のちりめんのように、工場で生まれた加工品と違い、いかちりは海がミックスして作った自然の味。チリモンは調べるだけでなく、食べてもおいしいんですよ」
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いかちりの問い合わせは沢口商店(088・625・0441)まで。同店のネットショップ・海産物問屋「きママ」(http://8026.teacup.com/kimama/shop)でも扱っている。
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