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生肉食いは高リスク 食中毒菌の感染率、鶏は77倍

2010年2月27日14時7分

写真:東京都は子どもの保護者や飲食店に注意喚起のチラシを配っている東京都は子どもの保護者や飲食店に注意喚起のチラシを配っている

 ユッケや鳥わさなどの生肉を食べて食中毒になる事例が後を絶たない。東京都で起きる食中毒の3件に1件は肉の生食が原因とみられている。食品安全委員会のリスク評価では、飲食店で鶏肉を生で食べる人は、食中毒菌の一つのカンピロバクターに感染する確率が、食べない人に比べて約77倍も高いことが分かった。同委員会は「生食を減らすための啓発が重要」と指摘している。

 厚生労働省によると、2008年に全国で起きた食中毒1369件中、カンピロバクターによるものは509件で第1位。「肉類を生食、加熱不十分で食べたことが原因の事例が多い」と同省食中毒被害情報管理室はみる。

 また、生肉ではO(オー)157などの腸管出血性大腸菌の食中毒になる場合もある。

 都内では08年に106件の食中毒が発生し、少なくとも34件は、生または半生の肉が原因と都は推定している。ほぼ3件に1件の割合だ。

 カンピロバクターや腸管出血性大腸菌は、牛や鶏の腸管にいる細菌。肉の鮮度とは関係なく少量の菌でも発症させる力がある。加熱調理をすれば菌は死ぬので問題はない。

 生食の実態を調べようと、都は09年に20歳以上の都民千人にネット調査した。ユッケ、鳥わさ、レバ刺しなどの生肉を3カ月以内に食べた人は40%に達し、若い年代ほど割合が高く20代では53%に。都健康安全課は「若者を中心に肉の生食が定着してしまっている」と話す。

 飲食店に生の肉のメニューがあっても、実際には「生食用」の牛肉と鶏肉は現在流通していない。牛肉と馬肉は、厚労省が定めた生食用衛生基準を満たした肉にのみ「生食用」と表示して売ることになっている。だが、08年度の生食用牛肉の出荷実績はゼロ。鶏肉にはそもそも生食用の衛生基準がない。

 飲食店は加熱用の肉を、「新鮮だから」などという判断で生肉として流用しているのが実態だ。衛生基準はあくまで行政指導なので、守らなくても罰せられない。

 食品安全委員会は昨年6月にまとめたリスク評価で、鶏肉料理でカンピロバクターに感染する確率をシミュレーションした。飲食店で生の鶏肉を食べる人では、1回の食事あたり5.36%の確率で感染する可能性がある、と推計。生で食べない人はわずか0.07%。体の中に菌が入っても発症するとは限らないが、店で生肉を食べる人は食べない人に比べ約77倍感染しやすい、という結果だった。(大村美香)

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