節分に鯨を食べる風習を、商機につなげようと、鯨肉の加工業者が売り込みに力を入れている。消費量が低迷しているだけに「恵方巻きのような全国的なヒット商品に」と願う。
萩博物館などによると、節分に鯨を食べる風習は、萩や長門、下関の沿岸地域を中心にあるとされる。旧暦の正月の時期でもあり、1年の変わり目と考える時期に、生命力のある大きな鯨を体に取り込んで元気に過ごすという願いが込められているという。ただ、いつごろから始まったのかはよくわかっていない。
下関市の水産加工会社「マル幸商事」(下関市)はここ数年、この時期に売り込み先を広げている。古田宏一社長は「PRの絶好の機会。将来的には恵方巻きのようになってくれたら」。「東冷」(下関市)もチラシを作ってスーパーに売り込みをかけている。担当者は「鯨が日常的に食べる品ではなくなってきているので、この時期に特別なものとしてでも食べてもらえれば」と期待する。
長門市の有志らでつくる「長門大津くじら食文化を継承する会」は5、6年ほど前から、この時期に市内のショッピングセンターで鯨汁を振る舞っている。藤井文則事務局長は「こういう風習があったことや、鯨の命を大切に思いながら付き合ってきた文化も知ってもらえたら」と話した。
(白井伸洋)
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