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アエラ臨時増刊特集

お刺し身にもこんなに添加物。店頭で見分けるには

2007/08/14

 7月25日に、アエラ臨時増刊「安心・安全を食べたい」が朝日新聞社から出版されました。アサヒ・コム「食」のページでは、内容の一部を抜粋してお届けします。

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 スーパーでお刺し身のパックを買うときは、容器の裏側を見てほしい。容器を高く持ち上げて、崩さないようにそーっとのぞき込むと、ひっそりとシールが張られていることがある。そこには、魚以外の原材料や添加物が書かれているのだ。

 たとえば、「マグロ切り落とし刺し身」には、植物油脂、酸化防止剤、pH調整剤。「お刺し身用いかそうめん」には、還元水飴、砂糖、調味料などが並んでいる。

 これをきちんと容器の表に張る店もあったが、多くの店では裏に張られていた。裏の表示を確認する人はさすがにほとんどいない。

 お刺し身といえば、魚介類を切っただけのものじゃないのだろうか。そもそも、お刺し身に添加物を使うのってアリなのだろうか。

 添加物を管轄する厚労省に聞いてみると、「生食用鮮魚介類の加工基準」で、「加工にあたっては、化学的合成品たる添加物(次亜塩素酸ナトリウムを除く。)を使用してはならない」と定められているという。

 「でも、保存性を高めるために何かを加えた製品は、いわゆる加工食品という扱いになりまして、鮮魚ではなくなるのです。しょうゆでつけた『漬け』など、伝統的にそうした加工があり、それを禁止することはできないわけですから」

 食品表示を扱う農水省にたずねると、拍子抜けをしてしまった。

「JAS法では、お刺し身は単品なら生鮮食品ですが、いくつかの盛り合わせになったものは加工食品という扱いになります。それに、生鮮品だから何かを加えちゃいけないとかいう決まりは、特にありません」 

 メーカーに直接聞いてみることにしよう。まずは、マグロの刺し身に広く使われる植物油脂。東海地方のマグロ加工業者は、入れていることを認め、その理由をこう話す。

 「味のまろやかさを付与するほか、乾燥を防ぐために入れています。中落ちでは、照りを増す効果もあります」

 中とろ、大とろ、思いのまま──。そんなキャッチコピーの商品の広告が、飲食業界誌に載っている。マーガリンのような容器に入った油脂を、マグロの赤身に塗り込むことで、油ののったネギトロやすき身をつくりだす商品だ。販売する業者は、こう話す。

 「筋張った赤身はどうしても売れ残る。何か方法はないかと、水産業者に言われて開発を始めたんです。端材を無駄にせず、おいしく手頃に食べられるようにする製品として広く使われています。何か混ぜ物をしているひどい企業と思われるのは心外ですよ」

 この業者によると、そもそも「ネギトロ」は、こうした油脂がなければ成り立たないという。マグロは酸化しやすく、酸化するとどす黒く変色する。「たたき」にすると、酸素に触れやすくなり、いっそう酸化しやすくなる。油脂は、それを防ぐ大事な役目を果たしているのだという。

 添加物としては、酸化防止剤(ビタミンC、E)のほか、pH調整剤も使われている。これも前出の加工業者に聞いてみると、

 「安定性の向上ですね。安定性というのは、要は日持ちですよ。解凍するときに出るドリップ(水分)を防止する効果もあります」

 築地市場に近い都内の卸業者はこう話す。

 「個人的には、こうした商品を扱いたくはない。でも、スーパーの激しい価格競争の中で、10円単位でコストを切りつめている。コストを下げるには、廃棄する分を減らすこと。それには、日持ちをよくすることが必要なんです」

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 アエラ臨時増刊では、サンドイッチのほか、ハム、スープ春雨、ベビーフード、冷凍食品各種、カップラーメン、刺し身など30品目についての「原材料表示」の読み方と、そこに表示されている物質を、解説しています。刺し身については、ここにあげたマグロのほか、調味料がついたイカ刺し、むきえびやゆでだこについても取り上げています。

 なお今回、アエラ臨時増刊「安心・安全を食べたい」を抽選で10名様にプレゼントいたします(応募期間8月25日まで)。ご応募はこちらから。

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