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乳がんの検診態勢にはまだまだ、不備があります。異常を見落とされないためには、どうすればいいのでしょうか。100%確実な方法はありませんが、専門医の助言やインターネットのホームページ(HP)の情報など、最大限の手だてを尽くすノウハウを紹介します。
□■自己検診■□
乳がんの発見は、乳房X線撮影(マンモグラフィー)とともに「自己検診」が重要だ。
日本乳癌(にゅう・がん)学会の99年の調査によると、乳がん患者約1万1000人のうち、自己発見は82%。集団検診で見つかった人は、受診率が低いこともあり、わずか3%に過ぎなかった。毎月1回の自己検診を習慣づけることが大切だ。(詳しい方法は9月14日付の乳がん特集を参照)
●異常なしの場合
自己検診で異常がなくても、自治体などの定期検診を受ける。市町村によって、医療機関を選べる個別検診と、検診車などで受ける集団検診があり、視触診単独やX線撮影併用が混在している。
個別検診の場合、専門医が少ない現状では、産婦人科や内科など専門外の医師が診る場合がほとんどだ。「どの医師が視触診が得意なのかなど、見分ける方法はないのが現状。ただ、自覚症状がなくても見つかる場合もあり、検診に行くことは大切」と専門家は話す。
集団検診の場合、専門医が担当しているかどうかを確認する。こうした自治体の検診の結果に納得できなければ、自分で医療機関に行く方法もある。自己負担は5000円程度。大きな病院の場合は紹介状がないと、特定療養費(数百円〜5000円程度)もかかる。
●異常があった場合
異常が見つかったら、すぐに専門医を受診する。「しこり=がん」と思う人も多いが、しこりのある人で乳がんと診断される確率は2%。怖がらずに、まずは病院に行ってみる。乳がんの専門は「乳腺外科」だが、科名を表示することは認められていないため、どの病院に乳腺外科医がいるかなどのリストはない。
参考になるのは、「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)」のHP(http://www.marianna-u.ac.jp/gakunai/jabcs/mammo/main.html)。X線撮影の読影ができる医師リストなどがある。
「日本乳癌学会」のHP(http://www.jbcs.gr.jp/)には、専門医と認定医のリストが載っている。病院名までは載っていないため、各病院に専門医がいるかどうかは、事前に尋ねる必要がある。
□■専門医受診■□
乳腺外科では視触診と超音波(エコー)検査、X線撮影、(必要があれば)細胞診の四つの検査を受けること。
【視触診】 聖マリアンナ医科大の福田護教授(乳腺・内分泌外科)によると、多くの患者を診ている医師ほど、時間をかけて丁寧に行うという。「視診に続き、座位、臥位(がい)と系統だって触診してくれるかどうかがポイント。経験のない医師ほど見逃しの怖さを知らないから、さっと触って終わります」
【エコー】 国立名古屋病院放射線科の遠藤登喜子医師によると、エコーは医師や技師の技量の差がX線撮影より出るため、検診には向かないという。だが、乳腺が多いなど乳房の密度が濃い場合は、乳腺とがんの見分けがつきにくく、エコーの方が見つけやすいことが多いため、精密検査には欠かせない。「30歳代など若い患者にはX線撮影よりエコーが有効。特に授乳中の人にはエコーを薦めます」
【X線撮影】 フィルムを診断する読影医や撮影する技師の技量のほか、施設が基準を満たしているかなど、総合的に判断する。これらは精中委のHPに載っている。X線撮影は50歳以上に有効とされるが、40歳以上にも有効な場合が多い。
ただ、X線撮影をしたからと言って、100%見落としがないとは言えない。聖マリアンナ医科大の福田教授は、「エコーやX線撮影を併用しても、判明率は90%程度。検診には限界がある、ということを理解して欲しい」と話す。
【細胞診】 がんかどうかの最終的な判断には、エコーやX線撮影を見ながらしこりに注射針を刺して細胞を採り、顕微鏡で調べる細胞診を行う。藤田保健衛生大の堤寛教授(病理学)によると、細胞診標本のでき具合が診断精度の指標の一つとなるという。医師のわきに技師がいて、その場ですぐ標本を作るかどうかで精度がかなり違ってくる。
この検査も100%ではない。がんと判断された患者がほかの病院に行ったら、がんでなかった例もある。逆に、本当はがんなのに、がん細胞が取れていないために良性と判断されることもまれではない。
□■診断後■□
専門医による検査で「乳がん」と言われた場合でも、納得いかない点がある場合や、ほかの専門医の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを求める。幸い、乳がんはほかのがんに比べて進行が遅く、1日2日を争うことは少ない。
可能なら紹介状と画像診断のコピーをもらい、ほかの医療機関で診断を受ける。
(2003/09/18)
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