2010年4月20日
斉藤典充さん
一人暮らしをしている21歳の娘の髪の毛について。昨年初めごろから、はげが出来始めました。1カ所が治っても別の場所にできてしまい、今では襟足に直径3〜6センチの円が三つあります。円形脱毛症かと思いますが、なかなか受診したがりません。原因はストレスでしょうか。(静岡県・W)
◆斉藤典充(さいとう・のりみつ)さん 北里大講師(皮膚科)=神奈川県相模原市
Q 円形脱毛症には種類がいくつかあるようです。
A 10円玉のような脱毛が起きる単発型や、単発型が融合した多発型がありますが、この方は多発型でしょう。まれに頭部全体の毛が抜ける全頭型や、全身の毛が抜ける汎発型になる可能性もあります。
Q ストレスが原因ですか。
A そう思われがちですが、原因ははっきりしていません。髪の根元には毛乳頭細胞とそれを取り囲むように毛母細胞があり、毛根(毛球部)をつくっています。免疫システムが何らかの理由で異常をきたし、リンパ球が過って自分の特に毛球部を攻撃し、その結果脱毛をきたすのが円形脱毛症です。ストレスはその発症要因の一つとなり得ますが、他の要因で発症する場合もあり、発症要因のすべてではありません。
Q 治療方法は。
A 一般的には、毛の周囲の血行を改善するための促進剤や抗アレルギー剤を使用したり、ステロイドの外用剤を塗ったりします。ステロイドと言っても専門医による治療であれば問題ありません。
一方、重症になると患部に軽いかぶれを起こさせて発毛を促す局所免疫療法や、ステロイドの局所注射もあります。局所免疫療法は9割の患者に有効との論文もありますが実施している医療機関は大学病院などに限られるため、かかりつけ医に確認しましょう。
Q 受診すること自体もストレスのようです。
A 円形脱毛症は患者の25%が15歳までに発症するという調査結果もあり、若い人に多いのも特徴です。特に若い女性の場合、脱毛した部分を医師に見せることは大きな抵抗があるかと思います。ただ、半年以内に自然に治らない場合や、いったん治っても脱毛を繰り返す場合はぜひ、皮膚科専門医を受診し、正確な診断と治療を受けることをお勧めします。