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【2011年度予算案】 医療・健康分野をながめてみると

2010年12月24日

 菅政権が24日、閣議決定した2011年度政府予算案。医療・健康の分野では、どんな事業が予定されているのか。
(林敦彦、月舘彩子)
医療・健康の主な事業
《 医師不足対策 》
偏在解消に向け、地域医療支援センターを設置する都道府県への支援策
(5.5億円)
《 がん対策 》
大腸がん検診の無料受診の新設や乳がん・子宮頸がんの検診事業の継続、がん診療拠点病院の機能強化など
(343億円)
HTLV−1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)関連疾患についての研究推進
(10億円)
《 肝炎対策 》
B型肝炎、C型肝炎の医療費助成や検査の個別勧奨など肝炎対策の強化
(238億円)
《 ライフイノベーション事業関連 》
難病の原因解明と診断・治療法についての研究
(100億円)※既存事業と特別枠の合計
日本発のがんワクチン療法による革新的がん治療の開発研究
(13億円)
革新的新薬・医療機器創出のための臨床試験拠点整備事業
(33億円)
先端医療技術などの開発・研究推進事業(国立高度専門医療研究センター)
(43億円)
医療情報データベース基盤整備事業
(3.7億円)

◇ 医師不足、ドラッグ・ラグ解消策 ◇

 深刻化する地方の医師不足に歯止めをかけようと、医師不足対策には19億円を計上した。中心に据えるのは、15の都道府県に設置する「地域医療支援センター」(5.5億円)だ。

 都市部の病院に医師が偏る状況を解消するのがねらい。センターの傘下に若手医師を集め、専門医の資格をとれるような支援などもしながら、医師不足に悩む地域の病院に、医師を派遣する。

 厚労省は今年8月の概算要求の時点で、全都道府県への配置を計画していた。しかし、その後、10月に成立した今年度補正予算で、各都道府県が地域医療の体制整備ができるよう「地域医療再生基金」が2100億円積み増しされた。

 「政策コンテスト」では、評価側の桜井充財務副大臣から「基金を使えばいい」と突き放された結果、15地域での試験的な設置にとどまった。

 さらに、事業仕分けで「10年の診療報酬改定で増額された」として事業の廃止を求められた、救急やお産をする医師への手当などの補助金は、10年度当初予算から41億円の減額になった。

 欧米で使われている治療薬が日本で使えるまでに時間がかかる「ドラッグ・ラグ」対策も進める。原因の一つとされる、国内の開発着手の遅れを取り戻すため、研究拠点整備に33億円を盛り込んだ。世界に先がけて日本で新薬が作られる環境整備を目指す。

◇ 難病・がん対策 ◇

 日本人の死亡原因で最も多い「がん」の対策には、前年度よりも予算を拡充し343億円を計上した。予防や早期発見で死亡リスクの大幅な軽減を目指す。

 特に働き盛り世代でのがん予防に重点を置き、40〜60歳に5歳刻みで大腸がん検診の無料クーポンを送る事業が創設された。また、乳がんや子宮がんなど女性特有のがん検診も受診を推進するため、今年度に続いて体制を整備する。

 新たな治療法として注目されるがんワクチン療法の開発に13億円を盛り込んでいる。

 また、主に母乳を介してうつるヒトT細胞白血病ウイルス「HTLV―1」の研究推進には前年度よりも5倍増の10億円が盛り込まれた。HTLV―1をめぐっては、9月、菅直人首相が官邸に特命チームを設置。すでに、今年度の補正予算で一部事業が計上されており、母子感染を防ぐため、妊婦検診で全国一律の抗体検査をすることにしている。

 難病の原因や治療法の研究費には、前年度と同額の100億円がついた。

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