関節リウマチで異常になったひざの滑膜(かつまく)を手術で切除し、福島県須賀川市の半谷(はんがい)ひろみさん(63)の激しい痛みはいったん治まった。しかし2年ほどで、また痛みが出始めた。
1993年、すでに欧米で認可された新しい抗リウマチ薬メトトレキサートが注目を集めていた。日本では認可されていなかったが、免疫に働きかけて関節の炎症を抑える効果が高いという報告が数多く出ていた。福島県立医大病院第2内科の主治医、西間木友衛(にしまきともえ)さん(65)から「使ってみませんか」と打診を受け、「効くものなら何でも使いたい」と答えた。
ただ、この薬は免疫を抑制するため、肺炎や結核などの感染症になりやすい。10代に結核にかかっていたこともあり、慎重に使うことになった。
腫れや痛みはだいぶ治まったように感じたが、数年すると徐々に効き目が薄れた。定期的に薬の組み合わせを見直したものの、95年ごろにはひざの痛みは激しさを増し、炎症の程度を示す数値も高まった。眠ることも食べることもつらくなり、体重は3カ月で7キロ近く減った。
西間木さんは「ひざを人工関節に換える手術を考えましょう」といった。痛みはなくなっても、その後、関節が壊れたり感染症になったりして再手術になる場合もありうるという。
人工関節の耐用年数は約10年。46歳という年齢を考えれば、いずれ取り換える手術も必要になりそうだ。しかし、手術経験者に話を聞き、「痛みがとれるのなら」と決断した。
同年に左ひざを、98年に右ひざを人工関節にする手術を受けた。正座ができないといった制限はあるが、激しい痛みから、ようやく解放された。
月1回の診察を待つ間に、顔なじみができた。はじめは、変形した手で箸を持つ先輩たちを見るのがつらかった。
「症状が進んでいく先の自分の姿をみているようで、認めたくなかった」
しかし、仲間と悩みや情報を分かち合い、知らない人生を知り、視野がぐんと広がった。50歳のとき、「日本リウマチ友の会福島支部」の役員になった。発症から15年。「リウマチをやっと受け入れることができた」と感じた。
※ 「患者を生きる」は、2006年春から朝日新聞生活面で連載している好評企画です。病気の患者さんやご家族の思いを描き、多くの共感を集めてきました。
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