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介護報酬を不正・不当に請求したとして、03年度に市町村や都道府県が介護サービス事業者に返還を求めた額が56億2000万円に上ることが、厚生労働省の調べでわかった。調査を始めた02年度の27億4000万円から倍増した。サービスの普及で事業所数が増えていることが背景にある。厚労省は不正の増加に歯止めをかけるため、今国会に提出した介護保険法改正案に規制強化策を盛り込んでいる。
不正請求で指定取り消し処分などを受け、03年度に返還を求められた事業所(支店や営業所などを含む)は2986で、02年度から2.5倍に増えた。加算額を含めた返還請求額は、03年度が62億4000万円、02年度は32億1000万円。返還請求額の確定が遅れる場合もあるため、03年度の請求額には02年度以前に処分を受けた分も含まれる。
03年度の加算額を含めた返還請求額をサービス別にみると、最も多いのが老人保健施設の16億3000万円(192事業所)で、前年度の2.6倍。訪問介護は5.6倍の12億9000万円(373事業所)で、介護療養型医療施設の8億4000万円(295事業所)、通所リハビリテーションの7億円(282事業所)と続く。
このほか、福祉用具の貸与は700万円から2億円に、認知症(痴呆症)グループホームは470万円から1億2000万円に急増している。
不正請求の内容としては、(1)ホームヘルパーなどのサービス提供時間を水増ししたり、架空請求したりする(2)資格のない人がケアマネジャーの名義を使ってケアプランを作る(3)医師などの数が足りないのに、配置基準を満たしているとして請求する、などが多い。
事業者がグループホームの常勤職員に訪問介護をさせるといったケースや、指定取り消しを逃れるため事前に廃業届を出す事業者もいた。
都道府県別では、福岡県が9億円で最も多く、京都府8億9000万円、北海道7億4000万円、岡山県4億5000万円、茨城県4億円の順。
返還請求が急増した要因の一つが、事業所数の増加だ。介護保険がスタートした00年4月に19万6000だった事業所は、サービスが広がるのに伴って00年度末には30万を突破、03年度末は前年度より2万増えて37万に達した。
介護保険法では、都道府県が事業者の指定や取り消しの権限をもつが、処分を受けた事業者が再指定を申請しても拒否できる明確な規定はない。
このため、厚労省は、介護保険法改正案に事業者の指定を6年間の更新制とし、指定取り消しを受けた事業者や処分逃れのために廃業届を出した事業者の再指定を5年間禁止する規定を盛り込んだ。新たに導入する「地域密着型サービス」(市町村が指定)の事業者にも同様の規定を適用する方針だ。
(2005/03/07)
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