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「人間が刻々と変化する外界の環境や体調に対応し、恒常性(一定で変わりがない状態)を保ちながら生き続けることができるのは、ホルモンが存在するからです」というのは、日本医科大学生理学第一講座教授の佐久間康夫氏。 ホルモンは、体内の細胞でのみつくられる化学物質。男女の性ホルモン、成長ホルモンなど、現在わかっているだけでも70種類以上があるとされます。 ホルモンをつくり、分泌するのは、脳の下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、すい臓(ランゲルハンス島)、卵巣、精巣などにある内分泌腺(図1)。従来は、それ以外の場所でつくられることはないと考えられていました。 「しかし近年では、脳からつくられるホルモンや、心臓や胃でつくられるホルモンの存在も明らかになり、ホルモン=内分泌腺という概念では説明しきれなくなっています」(佐久間氏) さらに、ホルモンのなかには、その一部が脳の中で情報伝達を行う神経伝達物質としてはたらくものがあり、逆に神経伝達物質のなかにも、ホルモンと同様の作用をするものもあります。 「もともと両者は影響し合いながらバランスを保っているため、ますます区別がつきにくくなっているのです」(佐久間氏) 全身のホルモンを統括しているのが、大脳の視床下部という部分。ホルモンは、ここからの指令によって分泌され、血流に乗って全身に運ばれ、必要な場所で作用します。 「個々のホルモンには、それぞれ標的器官(受容体)といわれるターゲットがあって、それに結合することによって、はじめて指令を送ることができるのです」(佐久間氏) ホルモンのなかには、分泌されると同時に使われてしまうものや、細胞の内外に貯蔵されるものもあります。しかし多くのホルモンは、たんぱく質などと結合し血液と一緒に全身をめぐっています。
(記事提供:保健同人社)
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