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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社

【MEDICALホットニュース】カプセル型内視鏡の実用化が間近に
初めて科学的に実証

 『長さ23mm、幅9mm。かぜぐすり大のプラスチック製カプセルを飲み込むだけで、内蔵された超小型カメラが、胃など消化器の内部を撮影し、外部のモニター画面に映しだす』

題名 ほとんど苦痛がなくカプセルを飲むだけで消化器の内部が撮影可能に
イメージ

 “まるでSF映画のなかの話”だが、現実の話である。このカプセル型内視鏡は、開発型メーカーのアールエフ(本社・長野市)によって開発された「NORIKA」。近く国内の臨床試験に入り、早ければ年内にも実用化される見とおしだ。

 これまで、胃がんや胃潰瘍を見つけるためには、胃カメラによる検査が不可欠だった。しかし、口から入れたワイヤーで操作する胃カメラの場合、患者さんに苦痛をともなうことが多い。

 「NORIKAを従来の胃カメラと比較すると、患者さんに与える苦痛が格段に小さい点と、胃カメラの届かない小腸の内部が撮影できる点が最大の長所」と、アールエフ執行役常務で研究本部長の原山広一郎氏は話す。

 検査を受ける患者さんは、コイルの内蔵された特殊なベストを着用したうえで、超小型カメラと照明装置の搭載されたこのカプセルを飲み込む。消化管に入ったカプセルは、カメラの位置を調節しながら、胃壁や腸壁の撮影をくり返し、通常、7〜8時間後に自然に排泄される。

題名 電源にはバッテリーを使わず体外から電磁エネルギーを供給

 カプセルが、体内で位置や向きを制御したり、画像を撮影したりするためのエネルギーには、コイル内蔵ベストから電磁エネルギーが供給される。

 一昨年、イスラエルのメーカーが開発したカプセル型内視鏡では、エネルギー確保のためにバッテリーが内蔵されていた。しかし、電池の容量に限界があるため、画像の撮影は1秒間に数枚程度まで。当然のことながら、患部に届く前にバッテリーが切れてしまえば撮影はできない。

 「外部から電力を供給しているNORIKAの場合、電源の切れることがないため、体内にある間は、つねに映像を送り続けることができます。しかも1秒間に30枚も撮影できます。

 また、バッテリーには有害な化学物質が含まれているため、万が一体内にもれてしまった場合には危険性が。これを使わないことにより、結果的に安全性も高くなりました」(原山氏)

 一方、カプセルの位置やカメラの向きの制御には、磁石を利用している。

 「カプセル内のコイルに電磁波で送ったエネルギーを瞬時に流して磁力を発生させ、同時に患者さんの着用しているベストに内蔵されたコイルにも電流を流して磁力を発生させると、カプセルが磁石の反発力によって回転します。これをくり返すことによって位置や向きが変えられるのです」(原山氏)

 ただし、胃カメラと違って、カプセルが患部をとおりすぎてしまったあとに、カプセルをUターンさせて、もう一度撮影することはできない点が、今後の課題として残るのだという。

題名 直径0.6mmのピンホールレンズでも家庭用ビデオと同程度の画質が可能に

 プラスチック製カプセルの先端に組み込まれたカメラのレンズは直径0.6mmと超小型。それでも、磁石でレンズを振動させ、ピントを合わせることに成功した。また、患部を照らす光源に、消費電力の少ない光ダイオード(LED)を使用することによって、患部を立体的に撮影することも可能になった。その結果、「画質は家庭用ビデオカメラと同程度のレベルが確保できました」(原山氏)

 このカプセル型内視鏡「NORIKA」は、早ければ2003年1月末には、国内の二つの国立病院での臨床試験が始まる予定で、年内の実用化をめざしている。また、並行して米食品医薬品局(FDA)の臨床試験に向けての準備も進められているということだ。

 システムの導入に際してむずかしい技術が不要で、医師にも特別な技量が要求されないため、実用化が決まれば、国内外で多くの医療機関の導入が予測される。

 価格については、「当初は1個1万4000円程度をめざしていますが、一般病院で広く使われるようになれば、量産が可能になり、5000円を下回る価格も可能になると考えています」と同社広報室の保科京子氏。

 ただし、これは医療機関に提供する場合であって、診断料その他の加算具合によって、患者の負担は決まってくる。

 現段階で、NORIKAのカプセルの40%は空洞(フリースペース)になっている。将来は、この部分に薬剤を入れて、空気圧などを利用して患部に噴射したり、レーザーを内蔵したり、と治療に応用するための研究も進められているという。

カプセル型内視鏡NORIKAのしくみ
 体外のコイル内蔵ベストからNORIKAに電磁エネルギーを供給。NORIKAから無線で伝送された画像は、リアルタイムでモニターに映しだされる。
 コントローラーには家庭用ゲーム機のコントロールスティックが採用されており、モニターを見ながら簡便に操作できる

 (記事提供:保健同人社)


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