【MEDICALホットニュース】潤いを保つのが正しい傷のケア
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ケガややけどの手当てといえば、傷口を消毒し、ガーゼでおおって早く乾燥させ、かさぶたをつくって治すというのが従来の一般的な方法。ところが、消毒せずに水で洗うだけ、あとは傷口をおおって潤いを保ちながら治す治療法(=湿潤療法、モイストヒーリング)のほうが、早く、きれいに治るのだという。
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浸出液が傷を修復 皮膚の再生を助ける
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「皮膚表面の細胞(表皮細胞)は、乾かすとひからびて死んでしまいます。かさぶたは死んだ表皮の一部なのです。やけどの水ぶくれや、傷口からでる浸出液(体液)には、傷を修復し、皮膚の再生を手助けする化学物質が含まれているため、これらの水分を温存し、湿潤を保ちながら、皮膚の細胞を生かしたまま治すのが湿潤療法です」と日本における湿潤療法の第一人者で、北里大学名誉教授(形成外科)・城西クリニック名誉院長(東京都新宿区)の塩谷信幸氏は語る。
消毒薬は、感染症をおこす細菌を殺すものだが、傷を治すはたらきをもつよい細菌も殺してしまう。また、ガーゼは傷口に貼りついて、はがすときに新しくできた皮膚をはぎとってしまうため好ましくないのだという。
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優れた被覆材の開発が進む
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湿潤療法の効果が証明されたのは40年ほど前。イギリスの動物学者ウィンター博士のネズミを使った実験による。しかし、医療の現場でもちいられるようになったのは10〜20年前。傷口の湿潤環境を保つための被覆材(傷口をカバーするもの)が開発されてからのことだ。
「ある医療品メーカーが、手術の際の消毒布として開発した医療用のポリウレタンフィルムを湿潤療法にもちいたところ、具合がよかったため、改良を加えながら、さまざまな被覆材*が開発されたのです。これらはモダンドレッシングと呼ばれています」(塩谷氏)
モダンドレッシングは、傷口に貼りつかないので交換の際に表皮を傷つけることがなく、酸素水蒸気透過性があるため蒸れることもない。すでに医療現場では、やけどや床ずれの治療にもちいられ、効果をあげている。ただし残念ながら、まだ市販はされていない。
とはいえ、湿潤療法は市販の救急絆創膏を使って、家庭でも実践できる。ケガをした際には次の要領で。
(1)まず傷を見きわめ(カコミ)、家庭で手当てできるものならば、(2)水道水で傷口をよく洗い異物や細菌を流す、(3)清潔なタオルやコットン、ティッシュペーパーなどで傷を押さえて止血する、(4)救急絆創膏を貼る。
そのままふつうに生活し、汚れたり、外から入った水によって救急絆創膏の中がぬれてしまったら貼り替えるようにすれば十分だという。
「大切なのは、傷口に入った異物を完全に洗い流すこと」と塩谷氏。
近年、教育現場でも、湿潤療法が広がりはじめている。
「最近は、ケガを恐れるあまり、子どもを外で遊ばせなくなっています。でも、元気よく遊んでケガをするのは子どもの特権。大切なのは、ケガをした際の対処法についての知識を親や学校の先生がもち、いざというときには、即、実践することではないでしょうか」(塩谷氏)
湿潤療法で、重要な役目をはたす保湿剤の市販化が待たれるところだが、秋以降の見とおしだという。
*ポリウレタン、ハイドロコロイド、ハイドロポリマーなどの素材がある。
●こんな傷は医療機関の受診を
| (1) | ギザギザした傷 |
| (2) |
砂や土、ガラス、木片、衣服の繊維などが入り、水に洗い流しただけではとれない傷 |
| (3) | 2〜3分たっても血が止まらない傷 |
●ホームページや冊子で湿潤療法を紹介
塩谷氏は、自身のホームページ「創傷治癒センター」(http://www.woundhealing‐center.jp/)で、湿潤療法に関する情報を提供。メールによる相談にも応じている。
また、塩谷氏がアドバイザーを務める「正しいキズケア推進委員会」では、湿潤療法についてわかりやすく解説した「正しいキズケアBOOK」を1万部作成し、申し込みのあった病院、学校、薬剤師などに無料で送付している。
【問い合わせ先 TEL 03-3486-0845】 |
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(記事提供:保健同人社)
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