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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社

【MEDICALホットニュース】子宮筋腫の切らない治療 集束超音波治療始まる

 からだへの負担をできるだけ軽減しようという低侵襲性治療の開発が進むなか、子宮筋腫に集束超音波治療という新しい治療法が導入された。30〜40代で4人に1人といわれる子宮筋腫に悩む女性たちにとっては、また一つ選択肢が増えたことになる。

題名 MRIとの組み合わせで画像応用、日帰り治療も可能な低侵襲性

 集束超音波治療とは、超音波の振動エネルギーを熱に変換して、そのエネルギーを凹レンズを使用して筋腫にだけ集束することによって腫瘍の組織を壊死させ、筋腫を半分くらいの大きさまで収縮させるというもの。「筋腫の場所を特定」するためには画像診断が必要となるため、超音波照射装置はMRI(磁気共鳴断層撮影装置)と組み合わせて設置される。

 今年4月、日本で初めてこの装置を導入したのは大阪市の医誠会病院。これはアジアで初、世界でも11番目という最新の治療法として注目されている。治療にあたっているのは画像応用低侵襲治療センター副所長の岡田篤哉氏。「集束超音波治療法のいちばんの特徴は、治療時に皮膚に軽度の痛みをともなう場合もありますが、筋腫の治療法のなかではもっとも低侵襲性で、切らずに治療できるということ」だと話す。

 患者は超音波照射装置の組み込まれたテーブルの上に腹臥位(うつぶせ)になって、MRIの室内に入る。これによって筋腫の場所を特定しながら集束超音波を照射。このとき患部の温度は60〜90度になるように設定されている。たんぱく質は54度以上になると変性して凝固するといわれているからだ。

 ピンポイント的に1箇所20秒間照射したあと温度が下がるまで100秒待つ。これをくり返して、治療に要する時間は筋腫の大きさによって多少の差はあるが約3時間。

 「治療後は日帰りも可能ですが、当病院では今のところ念のため1泊2日だけ入院していただきます」(岡田氏)


題名 6か月後の改善率は84%。治療の適応には制約も

 従来の手術に比べるとからだへの負担は軽く、症状改善率も3か月後で約71%、6か月後では約84%と良好。同じく低侵襲性治療として普及しつつある子宮動脈塞栓術(子宮への血流を止めて筋腫を壊死させる)の場合は「血管を傷めたり卵巣に影響をおよぼす心配がありましたが、集束超音波の場合はそのようなリスクはありません」(岡田氏)

 しかし、集束超音波治療がすべての筋腫に適応できるわけではない。この治療に適しているのは、(1)筋腫が子宮の粘膜や筋層にできている場合で、大きさが3cm以上あること。(2)腹壁と筋腫の間に腸管がないこと。超音波は空気や骨があると通過できないからだ。ただし「超音波の道筋に腸管が入らないように、また腸管をさけて照射できるように治療計画を立てることは可能です」(岡田氏)

 多発性筋腫や有茎性の筋腫(子宮内腔へ突出しているもの)、内部が変性している筋腫、下腹部に盛り上がるような大きな傷がある場合などは適応がむずかしい場合もある。また治療後の妊娠・出産に対して、まったく影響はないといいきれる段階ではないと岡田氏はいう。

 医療費の面でも課題は残る。子宮筋腫の治療では手術と薬物療法にのみ保険が適用され、子宮動脈塞栓術と集束超音波治療には適用されない。そのため塞栓術では約45万円、超音波治療では約50万円となる。

 岡田氏は「いろいろ制約もありますが、適応者にとっては大きな朗報。現在、つねに治療待ちの状態が続いています。この秋には乳がんに対しての治療も開始する予定です」と語っている。


 (記事提供:保健同人社)


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