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春から秋にかけてはすべすべだった肌も、冬になると誰でもかさつきがちです。皮膚にはもともとうるおいを保つためのメカニズムがあるものの(カコミ)、冬になると、寒さのためにそのメカニズムがうまく機能しなくなり、乾燥しやすくなるのです。 青山ヒフ科クリニック院長の亀山孝一郎氏は、その原因について、次のように語ります。 「寒い季節には、からだは体温の低下を防ぐために、皮膚に送り込む血液の量を減らします。その結果、皮膚の代謝が低下し、皮脂の分泌も少なくなります。さらに、外界の環境から皮膚を守っているバリア機能の主役である角質細胞間脂質の産生も低下し、汗として皮膚の表面に供給される水分も減るため、皮膚の水分はどんどん蒸発してしまうのです」 しかも、冬は湿度が低く空気が乾燥しているため、皮膚の乾燥に拍車がかかり、「乾燥肌の人だけでなく、普通肌の人でも、顔をはじめ全身にかさつきの症状がでやすくなります」(亀山氏) 肌の乾燥はそれだけでも不快ですが、放置しておくと、さまざまな肌の老化を招くことも問題です。 「とくに乾燥しやすいのは目の周りで、いわゆるちりめんじわがでやすくなります。また、乾燥によって皮膚の表面が粗くなると、光の乱反射がおこり、肌本来の鮮やかさがなくなり、くすみが出現します」(亀山氏) さらに、皮膚の代謝が低下することにより、コラーゲン、エラスチンという皮膚に張りをもたせる線維の合成が低下するため、肌があたかも垂れ下がったように見えてしまうのがたるみです。そして、もう一つ気になるのが毛穴の拡張です。 「コラーゲン、エラスチンには毛穴を引きしめる作用もあるため、これらの線維の合成が減れば、当然のことながら毛穴も開いてきます。冬になると、肌はかさついているのに、毛穴が開いてにきびが点在するという人は少なくありません」(亀山氏) コラーゲン、エラスチンが減ると、皮膚の下を走っている血管が透けて見え、くまも目立つようになります。 このように、しわ、くすみ、たるみ、毛穴の開きなどの肌の老化は、乾燥による「水分・油分の低下」「代謝の低下」と密接にかかわっています。乾燥を防ぎうるおいを保つスキンケアは、肌の老化防止のためにも不可欠です。
健康な皮膚の構造は図1のようになっています。皮膚は擦りむいても血のでない表皮と、より深い部分にある真皮に大別されます。 このうち真皮には、水分の保持と皮膚のしなやかさの維持を担っているコラーゲンという線維がたくさんあります。コラーゲンとコラーゲンのあいだには、ヒアルロン酸など基質と呼ばれる物質がたっぷり含まれており、ヒアルロン酸自体も非常に高い保湿機能をもっています。また、コラーゲンには、エラスチンという弾性線維がコイル状にからみついて存在し、これが肌に弾力性や張りを与えています。さらに、真皮にはコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの産生に深くかかわっている線維芽細胞も散在しています。 真皮と表皮の境目には、基底膜という膜があります。そして、表皮にはケラチノサイト(表皮角化細胞)と呼ばれる細胞が石垣のように並んでおり、いちばん上には角層があります。 角層には、セラミドなどの脂質、尿素やアミノ酸などが散在していますが、これらの物質も水分を保持する機能をもっていることから、天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor、NMF)と呼ばれています。角層の上には皮脂膜があります。 このうち真皮では、コラーゲンやヒアルロン酸が水分を保持しています。しかし、表皮にたくさん存在するケラチノサイトに栄養と水分を補給するため、ある程度の水分(体液)は基底膜を通過して表皮にしみだしていきます。これらの水分は、ケラチノサイトに栄養を補給したあとに角層に達します。ここで角質細胞間脂質、天然保湿因子がうまく水分をキャッチすればよいのですが、天然保湿因子に量の不足やバランスの乱れがあると、水分はすみやかに角層を通過して、乾燥肌につながってしまいます。それでも、角層をおおう皮脂膜がしっかりしていれば、水分はなかなか皮脂膜を通過できません。
(記事提供:保健同人社)
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