【MEDICALホットニュース】睡眠時無呼吸症候群のビデオ診断装置
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ベッドで眠るだけ。自然な状態で呼吸が測定できる
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睡眠中に断続的に呼吸が止まることから、睡眠不足を招き、日中の異常な眠けが重大事故を引きおこす原因にもなる「睡眠時無呼吸症候群」。昨年2月に、JR山陽新幹線の運転士が居眠り運転のまま31km走行し、この病気と診断されたことで広く知られるようになった。
この病気を、検査を受ける人のからだに負担をかけることなく自然な形で診断できる装置が、慶應義塾大学理工学部電子工学科教授の中島真人氏らにより開発された。
従来の診断装置では、検査を受ける人の鼻や口、胸部などにセンサーをとりつける必要があるため、自然な呼吸を計測することはむずかしかった。新装置では、就寝中の枕もと上部にスタンド型のFGセンサーと呼ばれる装置(赤外線輝点マトリクス投光機とデジタルビデオカメラがとりつけられている)が配置され、胸部から大腿部にかけての広範囲にマトリクス状(正方格子状)の赤外線輝点(光の点)群を照射し、その様子をビデオカメラで撮影するだけ。ベッドで一晩眠るだけで検査は終わってしまう。
「それをビデオカメラで撮影してコンピュータで画像処理し、輝点の変化から、胸部と腹部の上下運動を解析して、無呼吸の有無や原因(メモ参照)を調べることができます」と中島氏。
コンピュータ画像では、息を吸い込んだことにより、からだが持ち上がった部分の輝点は青で、逆に、息を吐いてへこんだ部分の輝点は赤で表示される。また、同時に呼吸波形も表示される。正常な呼吸では、赤と青の点が規則正しく交互に現れ、腹部と胸部の動きが一致しており、波形もきれいな正弦波を描いているのに対し、睡眠中に呼吸中枢が活動を停止してしまう中枢型では、赤、青の表示がほとんどなく、呼吸波形も平坦になってしまう。さらに、呼吸運動はしていても、喉がつまっていて空気のだし入れができずに、空気は胸部と腹部を行き来するだけとなってしまう閉塞型では、胸部と腹部は逆の色を表示し、波形もほぼ平坦に近くなる。
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複数の病院で試験的に使用。早ければ2年後には実用化
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中島氏らは、以前から家庭内セキュリティシステムの開発を行っていたが、その過程で、診断装置のヒントを得たという。
「入浴中の異変をとらえるための生体信号として呼吸に注目し、風呂場の天井隅に設置したセンサーで、非接触・非拘束で呼吸状態を測定するシステムをつくり上げたのですが、その精度がよかったため、睡眠時無呼吸症候群の診断装置への応用を考えました」(中島氏)
新装置は、すでに慶應義塾大学医学部附属病院をはじめ、複数の病院で試験的に使われ、高い評価を得ている。
「将来は、宿泊型の人間ドックで使用して、睡眠時無呼吸症候群の潜在患者の発見に役立てたり、呼吸器疾患のスクリーニングや、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発見、術後患者の様態看視用システムなど、医療の幅広い分野に応用してほしいですね」(中島氏)
新装置は、この4月から医療機器メーカーで量産の準備が始まり、臨床試験や薬事法をクリアすれば、早ければ2年後には実用化の見とおしという。
●MEMO
睡眠時無呼吸症候群とは、10秒以上の無呼吸が、一晩に30回以上、もしくは、1時間に5回以上生じるもので、肥満や咽頭部の構造上の障害のために気道が閉塞してしまう「閉塞型」と、呼吸中枢に問題があるために呼吸がとまってしまう「中枢型」の2種類がある。どちらの場合も、無呼吸状態がくり返されることから体内は酸素不足に陥り、寝苦しさや息苦しさから睡眠不足を招く。また、体内の酸素不足が続くと、高血圧、不整脈、心不全などの原因となり、突然死を招くこともある。中年男性や肥満した人に多いこの病気の潜在患者は、200万人ともいわれている。 |
(記事提供:保健同人社)
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