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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社

【暮らしと健康特集】コエンザイムQ10をとろう

エネルギー産生に不可欠で、抗酸化物質としても強力

 コエンザイムQ10は、もともと生物の体内にある成分です。もっとも多く存在しているのが、細胞内にあるミトコンドリアというエネルギーをつくりだす器官。ここで、エネルギーの供給源であるATP(アデノシン3リン酸)がつくられる際に不可欠な補酵素(エネルギーを産生する際にはたらく酵素を助ける物質)として、1957年に発見されました(表1)。

 「エネルギーの産生なくして、人間は生きていけませんから、コエンザイムQ10は、細胞の活動を保ち、からだを元気にするうえで不可欠な物質といえます」と東京工科大学教授で、日本コエンザイムQ協会理事長の山本順寛氏。

 コエンザイムQ10は、ミトコンドリア以外にも、細胞膜や血液の中など、体内のあらゆる場所に存在しています。

 「その理由は、コエンザイムQ10が抗酸化物質として機能しているためと考えられています」(山本氏)

 人間のからだの細胞膜は、非常に酸化されやすい脂質からできているため、活性酸素の害をつねに防いでおく必要があります。酸化を防ぐ抗酸化物質の代表といえば、ビタミンEが知られていますが、

 「最近の研究で、ビタミンEが十分な抗酸化力を発揮するためには、コエンザイムQ10が共存することが必要だということが明らかになったのです(図1)」(山本氏)

 ビタミンEは脂質の酸化を防ぐ物質でありながら、生体内の条件によっては、逆に脂質の酸化を促進してしまうこともあります。その現象を防いでいるのがコエンザイムQ10で、自身が抗酸化作用をもつとともに、ビタミンEを安定させ、効率よく脂質の酸化を防ぐようにはたらいています。

 コエンザイムQ10は、体内で合成されていますが、20代をピークに体内のすべての細胞で減少していきます。もっとも減少するのは心臓で、40代で30%、80代では50%以上のコエンザイムQ10が失われます(図2)。

 「体内に不可欠な物質でありながら、加齢とともにこれほどまでに減少する物質はほかにはまずありません。老化のメカニズムのなかで、コエンザイムQ10がなんらかの形でかかわっている可能性が高いと思われます」(山本氏)

表1 コエンザイムQ10の歴史
1957 米国のクレーン博士が細胞のミトコンドリアでATP産生に関わる物質を発見、「コエンザイムQ」と名づける。
英国のモートン博士がかねてから注目していたキノン化合物をすべての動植物があまねくもっていることからユビキノンと名づけた。
1958 ユビキノンとコエンザイムQが同一の物質であることが明らかに。
1974 日本でコエンザイムQ10がうっ血性心不全のくすりとして認可、発売される。
1978 英国のミッシェル博士が、エネルギー産生のしくみとコエンザイムQ10の役割を明らかにする研究でノーベル賞を受賞。
2001 コエンザイムQ10が厚生労働省により食品(サプリメント)として認可される。


図1 ヒト血漿を37℃で放置したときの抗酸化物質と脂質過酸化物の変化

37℃に保った血漿を放置すると、まずビタミンCが減り、次にコエンザイムQ10が減るが、ビタミンEはまったく減っていない。そして、コエンザイムQ10がなくなった時点でビタミンEが存在していても、過酸化脂質は増え始めている。このことから、ビタミンEが抗酸化力を発揮するためにはコエンザイムQ10が不可欠なことがわかる。


図2 加齢にともなう各臓器中のコエンザイムQ10濃度の変化(μg/g)

A.Kalen et al.,Lipids,24,579(1989)のデータから作成

 (記事提供:保健同人社)

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