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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社

【暮らしと健康特集】くすりと食べ物の飲み合わせ

くすりは「必要な成分が必要なところで」作用するとはかぎらない

 くすりと食べ物の飲み合わせでよく例にあげられるものに「ワーファリンを服用中は、納豆を摂ってはいけない」というものがあります。ワーファリンには血液を固まりにくくするはたらきがあり、心筋梗塞や脳梗塞の予防に使われますが、納豆はその作用を阻害してしまうからです。

 また、グレープフルーツと降圧薬のカルシウム拮抗薬を摂るのも危険なことがあります。くすりが効きすぎてしまうことがあるからです。なぜ、このようなことがおこるのでしょうか。

 「こうした相互作用を理解するためには、からだのなかでくすりがどのように変化するかを知っておくと役に立ちます」と話すのは薬剤師の堀美智子氏。堀氏は体内でのくすりの動きを図1のように解説してくれました。

 からだの中に入ったくすりは小腸で吸収され、肝臓や小腸の膜部分で一部が代謝されたのち、血管に入って全身をめぐります。グレープフルーツとカルシウム拮抗薬を一緒に摂った場合、「グレープフルーツに含まれている物質が、肝臓でのカルシウム拮抗薬の代謝を阻害します。この結果、代謝されなかったくすりが多くからだの中に残ってしまい期待する以上にくすりが効きすぎてしまうわけです」(堀氏)

 くすりは血液によって全身に運ばれますが、くすりの性質によって相性のよい組織や細胞が異なるそうです。吸収されず、消化管ではたらくくすりもあります。

 「ある種の下剤は、胃で溶けてしまうと不都合が生じるため、胃の強酸性状態では溶けず、腸で溶けるように工夫されています。そのくすりを牛乳で飲むと、牛乳が胃の中の酸性度を下げてしまうことによって、くすりは胃で溶けだし、胃で作用し吐きけをおこす一方、腸では下剤として十分な作用を発揮することができなくなってしまいます」と堀氏。

 くすりは「必要な成分が必要なところで」作用するように工夫されているわけです。この工夫を食べ物との飲み合わせで損なうことがないように気をつけたいものです。


図1 くすりの体内での動き
1 飲んだくすりは、食道をとおって胃へ入り、胃で溶かされて小腸で「吸収」される
2 吸収されたくすりは、肝臓へ行き、肝臓の解毒作用によって一部が「代謝」される
3 肝臓を通ったくすりは、代謝されたものもされなかったものも、全部血液に乗って心臓へ行き、大動脈から全身に送られて、からだのいろいろな部位で「作用」する
4 くすりは、最終的に肝臓や腎臓を経て体外へ「排泄」される

 (記事提供:保健同人社)

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