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嚥下障害による弊害は、先ほど紹介したとおりです。食べる楽しみを失わず、栄養障害や誤嚥性肺炎を防ぐには、できるだけ早く嚥下障害に気づき、適切な対応をすることが大切です。 「気づきやすい症状としては、頻繁にむせる、飲み込めない、食事中や食後にせきがでる、食べやすいものだけ食べるようになる、お茶などの水分を飲まなくなる、体重が減ってくる、などです」(藤島氏) 頻繁にむせたり、飲み込めないのは、嚥下機能が低下しているためです。食事中や食後のせきは、誤嚥したものを排出しようとするため。食べやすいものだけ食べるようになるのは食べにくいものをさけるため、むせるとわかっているとお茶を飲まなくなることもあります。さらに、体重が減ってくるのは、必要な栄養分が摂取できていないからです。 嚥下障害に気づかず、放置していると、誤嚥性肺炎を招いてしまいます。少量の誤嚥そのものは、嚥下障害のある人にかぎらず、誰にでもおこるとされています。とくに、寝ているときなどは、唾液が少しずつ気管に入っています。 「それでも、若い人や嚥下機能に問題のない人なら、多少誤嚥しても、気管支の繊毛運動によって異物は排出されるので、誤嚥性肺炎になることはありません。飲食物が間違って気管に入ってしまい、せき込んだという経験は、たいていの人があると思いますが、正常な人は、せきによって異物を排出することができます。ところが、加齢のためにせきがでにくかったり、嚥下障害があると、誤嚥の量も増えるので、誤嚥したものによって炎症がおこり、誤嚥性肺炎になってしまいます」と藤島氏は説明しています。このように、嚥下機能が低下すると、それ単独ではなく、異物を排出する機能など、全身のさまざまな機能も並行して低下するために問題をおこしてくるわけです。 したがって、嚥下障害が考えられる場合には、放置しないことが大切です。 「先ほどあげたような症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科やリハビリ専門医を受診してください。法律では、言語聴覚士が嚥下障害に対応するとされているので、言語聴覚士のいる施設を受診するとよいかもしれません」と、藤島氏はアドバイスしています。 嚥下障害かどうかのスクリーニング方法のひとつに、水飲みテスト(表)があります。 また、誤嚥していないかどうか、うまく飲み込めているかどうかを正確に見るには、エックス線に写る食べ物を食べて、その通過状態を検査する嚥下造影という検査を行います。
(記事提供:保健同人社)
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