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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

どうする? つまる むせる 飲み込めない

食前食後の口腔ケアを欠かさずに

 小さなクッキーを1つ、よく噛んで、飲み込んでみてください。何回で飲み込めるでしょうか。

 「おそらく4〜5回は必要でしょう。それでも、まだ、歯の間に残っているかもしれません。残っているとわかる場合はまだしも、感覚が麻痺していると、残っていることに気づきません。これをそのままにしておくと、口の中の汚れがひどくなり、誤嚥性肺炎の原因にもなります」と藤島氏はいいます。

 食後、口の中に食べ物が残った状態を放置しておくと、細菌が繁殖し、それが誤嚥された飲食物と一緒に肺に運ばれ、炎症をおこすのです。

 「食後にお茶を飲むのは、口の中をきれいにする役目がありますが、これだけでは十分ではありません。歯みがきとうがいをすること。介助が必要な場合は、歯ぐきと歯のつけ根をブラッシングし、口の中を念入りに清掃する必要があります」(藤島氏)

 食前食後のアイスマッサージも効果的です(図3)。

図3 アイスマッサージ

 凍らせた綿棒に少量の水をつけて、口蓋弓、舌根部、咽頭後壁などを刺激してからゴクン(空嚥下)してもらいます。軽く表面をなでるような気持ちで行ってください。
アイスマッサージ用綿棒のつくり方

マッサージをしてからゴクン(空嚥下)をしてもらう。マッサージは患者さんの反応を見ながら休憩を含めて5分くらいを目安とする。
 
綿棒に少量の水をつけてから行う
マッサージの部位
図1〜3:『口から食べる 嚥下障害Q&A』(中央法規)を参考に編集部にて作成


食べやすい食品、食べにくい食品

  嚥下障害がある場合、誤嚥を防ぐことが重要です。そのためには、まず、飲み込みやすく誤嚥しにくい食品を選ぶことでしょう。

 聖隷三方原病院栄養科科長で管理栄養士の石野智子氏は、嚥下障害のある人にとって食べやすく飲み込みやすい食品の条件について、次のように話しています。

 「密度が均一であること。凝集性があって、バラバラになりにくいこと。粘膜にくっついたりしないように、べたつかないこと。のどをとおるときに変形しやすいこと。こうした条件を満たすのは、ゼラチンタイプの食品です」

 石野氏によれば、ゼラチンでやわらかく固めたものは食べやすく、嚥下食として理想に近いそうです。

 「プリンやゼラチンゼリー、ヨーグルト、卵豆腐などは、食べやすい食品の部類に入ります。また、果物、野菜、肉、魚などはミキサーで細かくして味をつけ、ゼラチンで固めれば、かまずに飲み込むことができます」

 ところで、ゼラチンがよいのなら、寒天も食べやすいのではないかと思いがちですが、ふつうの寒天で固めたものはかたくなりやすく、口の中に入るとバラバラになって誤嚥しやすいのだそうです。

 一方、食べにくく誤嚥しやすい食品は、かたいもの、パサパサしたもの、粘りけがあって粘膜にくっつきやすいものです。

 「こんにゃく、トウモロコシ、揚げ物、鶏のささ身、のり、わかめ、生野菜、ナッツ類などは、飲み込みにくく、危険な食品といえます。さらさらした汁物やジュースなどもむせやすく、誤嚥しやすいものです。また、病院や施設などでだされる刻み食も口の中に残りやすく、食べにくい食品の代表です」と石野氏は注意を呼びかけます。

 さらさらした汁物やジュース、お茶などはむせやすいものの、増粘剤を使ってトロミをつけると飲み込みやすくなります。

 「増粘剤は、いろいろなメーカーからだされています。それぞれ注意書きがついているので、分量に注意して使ってください。多すぎると、粘りけがでて逆効果です」と石野氏。

 このほか、飲み物はスプーンを使って一口ずつ飲んだり、冷たいものは冷たく、温かいものは温かくして食べるなど、中途半端ではなく温度や味はっきりさせることも、上手に飲み込める食事づくりのポイントだそうです。

 「高齢者の場合、むせたりトイレが近くなるのを心配して水分を控える結果、脱水症になる恐れがあります。努めて水分を補給するようにすることが大切です」と石野氏は話しています。

 最後に、自分で調理することができる場合は自炊を、また外出が可能ならば、食事の買い物にでかけましょう。

 これは、全身の機能の低下が嚥下機能の低下につながるのを防ぐ目的があります。また嚥下障害になり、必要な栄養分がとれなくなると、全身機能の低下につながります。自炊や買い物は、頭やからだを使うことによって脳を活性化し、結果として全身の機能の活性化にもつながります。

 (記事提供:保健同人社)

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