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子どもの食物や薬物、ハチ毒による急性アレルギー(アナフィラキシー反応)の緊急時の対応に有効なエピネフリンの自己注射キット(製品名:エピペン注射液0.15mg)の輸入が、3月4日に厚生労働省で承認され、4月中旬から発売される。 対象となるのは、体重15kg以上30kg未満の子どもで、化学・医薬品メーカーのメルク(本社・東京)が販売する。 本来はからだを守るべき免疫が過剰にはたらき、特定の物質(アレルゲン)に反応して、からだに不利益な症状をおこしてしまうアレルギー。とくに子どもに多いのは食物アレルギーで、3大アレルゲンと呼ばれる卵、牛乳、小麦のほか、重篤な症状のでやすい、そば、落花生(ピーナツ)によるものが多い。 「これらの食品をとって、5分から30分以内に現れる全身性の即時性アレルギーはアナフィラキシーと呼ばれ、対応が遅れると危険な場合も」と同愛記念病院小児科部長の向山徳子氏。 よくみられる症状は、食べた直後に口の中がしびれたり、かゆくなったりする口腔内違和感、吐きけや嘔吐、腹痛などの消化器症状、かゆみや発疹などの皮膚症状、のどが腫れることによる呼吸困難など。原因となる物質を意識的に除去していても、ごく少量であっても誤って口にしてしまうことがある。 「とくに、血圧低下やそれにともなう意識障害などのショック症状(アナフィラキシーショック)をおこすと死にいたることも」と向山氏。 国内で毎年50人前後がアナフィラキシーショックにより死亡しているとの報告もある。 「アレルゲン物質を口にしたあとに、激しい運動をすると、意識を失うなどして、食物依存性運動誘発アナフィラキシーという重い症状をおこすこともあります」(向山氏) 症状の緩和には、エピネフリンの投与が有効だが、緊急時には医師の注射が間に合わないこともある。エピネフリンの自己注射キットの承認は、食物アレルギーの子どもをもつ親たちから望まれてきた。
発売されたエピネフリン自己注射キットは、安全キャップを外して、太ももの前外側に押しつけると、中から針がでてきて注射されるしくみになっている。ただし、自己注射後ただちに医療機関を受診して、適切な治療を受ける必要がある。 「エピネフリンは、あくまでアナフィラキシー発症時の緊急の補助治療剤で、医師による治療に代わるものではありません。また効果には個人差があり、そのとき有効でも数時間後にアナフィラキシーが再発することもあるからです」(向山氏) この自己注射キットは、販売元のメルクが実施する講習会に参加し、登録された医師でなければ処方できない。 「処方を受けたい方は、かかりつけのアレルギー専門医か小児科医に相談されるとよいでしょう」(向山氏) またアナフィラキシー対策フォーラムのホームページでも対応可能な医療機関を紹介している。 使い方を間違えると、危険な製剤でもあるため、エピネフリンの処方に際しては、図のように医師から十分なインフォームド・コンセントを受けたうえでの保護者の同意が必要となる。 なお、大人用(体重30kg以上)のエピネフリン0.3mg自己注射キット(製品名:エピペン注射液0.3mg)は、すでにハチ刺されのときのみを対象に承認されていたが、今回の承認で、食物や薬物によるアナフィラキシーにも使えるようになった。
(記事提供:保健同人社)
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