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関節の軟骨をおおう滑膜に炎症がおこり、軟骨や骨が破壊されていく関節リウマチ。厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は、3月30日に関節リウマチの治療薬エタネルセプト(製品名エンブレル)の保険適応を承認、続いて4月6日には同薬の自己注射による投与を承認した。 エタネルセプトは、関節リウマチの痛みや腫れなどの症状や関節破壊を抑える有効な治療法として、アメリカでは1998年に承認されて以来、広く使われている。 関節リウマチの場合、本来ならば、外敵からからだを守るはたらきをするサイトカインの一種TNF(腫瘍壊死因子)が、自らの関節を攻撃するために炎症が引きおこされる。 エタネルセプトは、わが国でもすでに使われている点滴薬のインフリキシマブ(レミケード)と同じく、生物学的製剤(生物が産生する物質を利用してつくられたくすり)。 「インフリキシマブがTNFをブロックすることで炎症反応を抑えるのに対し、エタネルセプトは、自らがおとりの受容体となり、TNFが細胞表面の受容体と結合するのを阻止して、炎症反応を抑制します」と日本リウマチ学会理事で、埼玉医科大学副学長・埼玉医科大学総合医療センター第二内科教授の竹内勤氏。 2つのくすりの効果はほぼ同じとされているが、インフリキシマブの場合は、メトトレキサートとの併用が不可欠(注)なのに対し、エタネルセプトの場合、単独でも同剤との併用でも使える。そのため、インフリキシマブやメトトレキサートがなんらかの理由で使えない人にとって、エタネルセプトは有効な選択肢となる。 しかし、エタネルセプトは注射薬で週に2回、皮下注射をしなければならないことから、通院による患者の負担を軽減するために、自己注射の安全性を確認する治験を実施。今回の適応となった。 「とくに仕事をもつ患者さんにとっては、大きなメリットになると思います。海外ではすでに20万人の患者さんがこのくすりを自己注射しています」(竹内氏) 注:インフリキシマブに対する中和抗体が体内でつくられ、効果が低下しないようにするためメトトレキサートの併用を必要とする。
エタネルセプトの自己注射は、既存の治療で十分に痛みや炎症がコントロールできていない人が適応となる。 「わが国でよく使われるメトトレキサート(リウマトレックス)、ブシラミン(リマチル)、サンファサラジン(アザルフィジンEN)などの、どのくすりを使っても、腫れている関節や痛む関節(それぞれ6か所以上)が多く、炎症反応が強く残っている(CRPが2以上、血沈が28以上)人たちが対象になるものと考えます」(竹内氏) エタネルセプトの自己注射を始める前には、1か月にわたり週に2日、専門医に通院する必要がある。 「皮下注射を続けて、副作用がないこと、効果があることが確認された患者さんには、専門医が自己注射の方法を指導します。そして、安全に注射できることが確認できたらエタネルセプトの自己注射キットを処方します」(竹内氏) 自己注射キットの処方は1回に2週間分(4パック)なので、患者は少なくとも2週間に1度は受診しなければならない。 当分の間、エタネルセプトを使用する人の追跡調査(半年間)を行うため、処方医は、日本リウマチ学会のリウマチ認定医、日本整形外科学会のリウマチ専門医、日本リウマチ財団の登録医にかぎられる。 「エタネルセプトの自己注射を希望する患者さんは、主治医に相談されるとよいでしょう」(竹内氏) また、発売元のワイス(株)でも問い合わせに応じている。
(記事提供:保健同人社)
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