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2005年12月14日に、男性型脱毛症の治療薬フィナステリド(製品名プロペシア)が厚生労働省により承認され、発売されることとなった(発売元:万有製薬)。これまでも、頭皮に塗ることで血流を促し、毛髪をつくる毛母細胞(髪の毛をつくる細胞)を活性化する外用薬は数々発売されてきた。しかし、内服育毛薬の発売は国内では初めてのことだ。 思春期以降に発症し、徐々に進行する男性型脱毛症は、前頭部と頭頂部の毛髪がうすくなり、最終的には後頭部と側頭部以外に脱毛が進行する。30歳以降に増え始め、全年齢で平均すると、日本人の男性の3人に1人が悩まされているといわれる。 発症には、男性ホルモンのテストステロンが毛母細胞で5α-還元酵素II型という酵素によって変換されてできる、ジヒドロテストステロン(DHT)の増加が密接にかかわっている。 「精巣などから分泌されるテストステロンは、胎児期や思春期以降に筋肉や骨格の成長を促すほか、生殖機能に関しても重要なはたらきを担っています。一方のDHTは、思春期以降、男性型脱毛、前立腺肥大、ニキビなど、あまり好ましくない症状とかかわりの深いホルモンです」と国内の臨床試験にたずさわった東京女子医科大学皮膚科教授の川島眞氏。 フィナステリドには、5α-還元酵素II型のはたらきを抑えることで、テストステロンがDHTに変換されるのを抑える作用がある。1983年に米国で合成に成功、97年にFDA(米国食品医薬品局)で承認されて以来、世界60か国以上で承認されている。
フィナステリドは、服用後3か月あたりから効果が出始め、半年から1年でピークに達し、服用を続けるかぎり、その後も高いレベルで効果が持続できるという。 国内では、20〜50歳の男性型脱毛症の男性を対象に2001年から臨床試験を実施、服用して1年後の頭頂部の写真を評価したところ、フィナステリド0.2mgを服用した群では54%、1mgを服用した群では58%の人の脱毛部分に頭髪が増えていた。また、前者では41%、後者では40%の人が1年前の状態を維持していた。 「臨床試験を始めるまでは、脱毛を止めるだけでも意味のあるくすりだと思っていましたが、毛髪が増える症例がここまで多かったのは驚きでした」と川島氏。 海外の臨床試験ではフィナステリド1mgの5年間の投与で、90%の人に抜け毛の進行を抑える効果、あるいは改善効果が認められたという。 「ただし、根本的な治療ではないため、服用をやめれば、血中のテストステロンが多い人の場合は、再び脱毛が進行することが予測されます。また、継続服用しても、米国におけるデータでは5年後をみると、その効果はピーク時に比べるとやや右肩下がりになっており、自然の進行を完全に抑えるのはむずかしいことがわかります」(川島氏) よく効くくすりだけに気になるのは副作用だが、「性機能障害や胃の不快感などの副作用はほとんど認められなかった」という。ただし、妊娠中の女性が服用すると、胎児に先天異常が現れる可能性があるため、投与の対象は男性だけにかぎられている。 今回の承認により、医療機関でフィナステリドの処方が受けられるようになるが、健康保険の適応にはならない。そのため、診療費と薬代はすべて患者の自己負担となる。このうち薬代についても医療機関で個々に設定されるが、発売元の万有製薬は一錠あたり250円(1mg、0.2mgとも)を参考価格としている。
(記事提供:保健同人社)
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